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悠久の恋の果てに
【ファンタジー 官能小説】

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大久保さんとの約束の時間からすでに1時間がたっているのは分かっていた。

動き出すことも出来ず、ぼんやりテレビを眺めていたけど
内容なんか頭の中に入ってくるはずもなく。

テーブルの上に置いた携帯が鳴らないのが不思議だった。

私の番号は交換したから知っているはずなのに。
1時間の遅刻にも大久保さんは連絡してこなかった。

それでもこちらから連絡する気にはなれず
何も考える気にもならず
もう、布団にもぐって寝てしまいたい衝動に駆られた。

そうだ。寝てしまおう。

そう思ってベッドにあがりかけた時
小さな音で携帯に着信があった事を私に伝えた。
それは思った通り、大久保さんからで。

「どうした?」

ただそれだけ言うと。
お互いにじっと黙った。

「スミマセン。今日は行かれません」

とりあえず謝って、そのまま電源を切ろうとしたら

「とにかく出て来い」
なんてこっちの気も知らないで言う。

「行きたくないんです」
「何があった?」
「言いたくないです」

ムッとしてそう言えば電話の向こうで大久保さんは小さく笑っていた。

「相変わらず強情だな」



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