愛玩姪奴 ★-1
…… 記憶をたどる。
欲する“秘密”を知り得る為に……
しかしそれはあっけない程に……
自室学習机引出しの片隅に、ひっそりと佇んでいた。
そしてそれを再生可能な機器と共に……
その機器をどう用意したかまでは想い起せなかったが、それ自体はどうでも良い事に思われた。
(この中に…… この中に“今日の恵利子”の謎を解く鍵があるはず! それしか考えられない。俺が恵利子の彼氏と思い込んでいたこの餓鬼とは違う何かが、誰かがこの中に隠されているはず)
この時恵利子の叔父の意識は、それを目にする前より“一連の流れ”からその内容を概ね思い当てていた。
いや、しかしそれは、正確に言うなら想像の域を大きく超えた物であった。
SONY製D.V.ビデオカメラにテープをセットする。
数秒の機械音と共にテープはローディングされていく。
わずか3インチ程のビデオカメラに一体化された液晶モニターに画像が映し出されはじめる。
《2006.05.31 10:38:08》
モニター右下隅には、撮影された日時の情報が秒刻みで浮かぶ。
映し出される状況からすぐにそこが、ラブホテルのベットを捉えたものであると理解出来る。
しかし室内の明るさは本来のその場の雰囲気に不釣り合いな程に、眩しい程に明るく白いシーツ中央部に横たわる対象物を捉えていた。
三脚に据えられたビデオカメラは、ベット足元より対象物を捉える位置取りであった。
その位置取りゆえに、対象物な何なのか…… いや、誰なのかはこの時点では判断しかねる状態と言えた。
だがここまでの流れから言えば…… そして対象物が身に着ける衣類…… その見覚えのある制服から言えば、おのずと対象物が“誰”なのかは明白と言えた。
それでも…… 叔父の意識はそれを認めたくは無かった。
それ自体の内容を概ね思い当てながらも…… 認めたくは無かったのである。
《2006.05.31 10:40:51》
男の後姿がフレームに映り込むと、ベット中央部に歩み寄る。
それはこれから行われる行為を前にした儀式が如く、全く慌てる事無く順序立てて進めていく。
男の手が濃紺のスカートへと伸びて行く。
その位置取り動きは明らかに、ビデオカメラのレンズが意識されており合理的であるとさえ言えた。
《2006.05.31 10:41:59》
濃紺のスカートに伸びた指先が、少女の中心を包み隠す薄布に掛かる。
飾気の無い少女らしい下着が、ゆっくりと丸められる様に引き下ろされてゆく。
右脚の膝が立てられると、片脚のみ下着から引き抜かれる。
同時に足首に下着を残した左脚膝も立てられ、左右に大きく割り拡げられる。
その動きに合わせて、濃紺のスカートがスルスル脚を腹部方向に滑る。
まるで白磁器を想わせる透明感漂う肉付きの薄い太腿…… 解剖台に乗せられた蛙の両脚が如く、美しい両脚を対照的に無様に拡げさせる。
ここで男が一度ビデオカメラに歩み寄り、太腿付根にズームでピントを合わせなおす。
それによりひっそり息づく浅いスリット…… “桜貝”を想わせる淡い桜色の薄い二枚貝が露骨に映し出される。
息を飲む画像……
再生される機器を手にする叔父の手が、僅かに震えはじめる。
何故か? 可憐で清らかであるはずの浅いスリットが、アンバランスにてらてらと妖しい光をすでに放っている。
可憐な桜貝は開き淫らに濡れそぼり、それでいてその様はまさに淫靡かつ美しかった。
この美しい二枚貝に男の指先が触れ、レンズはその指先の動きを捉えながら、同時にその映像を克明に記録する。
再び男は離れると、室内に一際明るい光が焚かれる。
動画録画と並行して、静止画の接写記録が始められる。
浅いスリットを指先で押し拡げ、幼気な膣底を覗き込む様に電子音が連続する。
左足首に丸まる様に残された下着が、異常なまでの臨場感を生む。
一時間以上をかけ着衣全てが脱がされると、少女は様々な体位を取らされながら記録されていった。
その過程で見覚えのある少女の顔が、フレーム内に映り込む。
「えりちゃん…… 」
《2006.05.31 11:59:55》
一本目のテープが再生の※終わりを告げる。
狂おしい程に歪な想いを寄せた少女…… 恵利子、それが今目前にて…… 文字通り“玩具”(おもちゃ)にされている!
(こっ、こいつぅ、こいつ殺してヤル!!!)
時折フレーム内に姿を現す男の容貌は三十歳前後で、その陰湿な指先とは対照的に終始無表情であった。
それがカメラに目線を向けると、愛らしい姪の秘部を延々指先で弄ぶのである。
激しい嫉妬と憎しみが入り混じり、凄まじいまでの殺意が“叔父”に湧き上る。
それでも怒りに震える指先は、二本目のテープを入れ替えずにはいられなかった。
次回 哀玩姪奴 へ つづく
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※miniD.V.テープの最長モデルは、録画時間80分(SPモード)です。
またテープにより若干の個体差はありますが、概ね1分から2分程度表示より録画容量多いです。