愛欲-7
もう止まらなかった。体が勝手に自らを慰める。体の神経が全て煩悩につながったかのように快感を求め幸代の手は激しく動いているのであった。
「ああん…ダメ…!!」
もう一人の自分に犯されているようだ。感度を増した箇所を無性に撫でる手に幸代は周りを気にする事にもなく喘ぎ悶える。シートには愛液が垂れビッチョリと濡れていた。尋常ではないクチュ音がその量を物語っている。幸代ははしたなく股を大きく開き性器を両手で自撫していた。興奮は止まらない。暴れる体に車が激しく揺れた。
「ああん…!イクの…?これがイク…?ハァハァ…ヤバい…」
まだエクスタシーを知らない幸代。オナニーで初めでエクスタシーを知る女が情けないのかどうかも分からなかった。しかし止まらない。抑声から解放された幸代は絶叫を繰り返した。
「ああん…!ああん…!ダメ…!気持ちいいっっ…!」
これがありのままの自分なんだと思った。気取っていても、ツンデレぶっていても本当はこんなにいやらしい女で、そしてこんなに好きな人を想える人間なんだと。そう気付いた瞬間、肩の荷が下りた気がした。幸代に初めてのエクスタシーの瞬間が訪れる。
「ああん…!海斗さん…、海斗…さぁぁぁんっっ…!」
幸代の腰が浮く。体を突き上げられるような物凄い快感が幸代の意識を全て奪い取る。頂に達した幸代に見えた光景はきっと今まで見てきた自分の世界とは全く違う世界だったのかも知れない。可愛らしい女へとなる事への抵抗を消し去ってくれるような、そんな光景だったに違いない。
「ぁぁん…」
力が抜けシートにグッタリと倒れ込む幸代。時折小さな喘ぎ声を溢しながら息を切らしていた。
心地良い余韻から醒めてきた幸代。ゆっくりと体を起こす。
「こんな恥ずかしいカッコして私…。」
脱ぎ捨てたパンティはダッシュボードの上に乗っていた。下半身を露出させ胸元を大きく開き胸も剥き出しになっていた。燃え上がった自分の性を労うかのように大きく息を吐き、そしてゆっくりと着衣を直す。
「ヤダ…シートビチョビチョ…」
このまま座ればスカートが濡れてしまう。取り敢えずタオルをシートに敷いた。パンティを履くがヒンヤリとして気持ち悪く感じた。幸代は性器をティッシュで拭
きパンティはバックの中に閉まった。
「何か…車の中でのオナニーに嵌まりそう…。いい社会人が恥ずかしいな…」
幸代はそう言って車を走らせ帰宅したのであった。