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痴漢専用車両へようこそ
【痴漢/痴女 官能小説】

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手島の経歴-5

「クソ、クソ!なんで当たらないだよ!」

鋭い蹴りを繰り出しながら、雄一は焦っていた。星司は悉くかわし、払い、避け、雄一の攻撃の隙をついて、雄一を投げ飛ばした。

しかし、投げ飛ばしても投げ飛ばしても、雄一は立ち上がり向かってきた。しかし、所詮は小学生、ついには限界がきた。

「チクショー、チクショー」

仰向けにひっくり返りながら、悔しそうに叫び続ける雄一の横に、星司は腰を下ろした。

「お前の姉ちゃんは、オレが守るから安心しろ」

「うるせー!」

雄一は倒れたままの状態で、隣に座る星司に裏拳を見舞ったが、星司はアッサリその手を掴んだ。

「やっぱり、お前は子供だな」

「違う!」

「違わないな。姉ちゃんはどう思うかな」

「何だってっ?」

姉の事を出されて、雄一は戸惑った。

「勝負して負けたのに、ウジウジしたお前を見て、姉ちゃんはどう思う?」

「うっ…」

「どうしようも無い弟だと思われたくなかったら、約束を守って姉ちゃんをオレに任せろ」

今まで、姉が自分を疎ましく思う事は有り得ないと思っていた。しかし、星司の言葉で姉がそう思ったらと思うと、急に胸が苦しくなってきた。

「くっ、くっ…」

「わかったのか」

「うるせー!もしお前が姉ちゃんを泣かしてみろ!オレは絶対にお前を赦さないからな!」

「ああ、任しておけ」

星司はそう言って、雄一に手を差し出したが、雄一はその手を払うと、突然泣きだした。

「うわああああああん」

今まで溜まっていた物を吐き出すように、星司にはばかる事無く、雄一は泣き続けた。

雄一が涙を流したのは、母親が他界してから以降、初めての事だった。星司にはそれがわかった。

(すまん…)

星司は、その言葉を口に出せなかった。

心配で駆けつけて、陰から様子を見ていた陽子と悠子だったが、勿論、雄一に見つかるわけにはいかない。

「ううっ、雄一…」

2人も雄一のように声を上げて泣きたかったが、声を圧し殺して泣き続けるしかなかった。


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