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【痴漢/痴女 官能小説】

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陽子のお仕事-1

≪ケース6 手島雄一(24歳 各務家秘書)≫

(注:手島編は構成上、官能表現がありません)

【陽子のお仕事】

とあるIT企業のオフィス。

「各務課長、外線に電話です」

その電話を受けた事務職の女が、企業向けアプリの不具合データに目を通す陽子に、遠慮がちに声を掛けた。

陽子は多種多様の法人に対して、個別のニーズに対応したアプリを製作する企業に席を置いていた。

陽子は画面に映る数字を追っていた指を止めて、少ししかめた顔を上げた。

「またあ、何回言ったらわかるの?電話を繋ぐ時は誰から掛かってきたか言いなさいって。『誰から』って聞き返すだけ無駄なんだから」

口調はキツいが、言葉ほど怒っていない事は、今事務所に居る者達は知っていた。

「す、すみません。あの…、教えてくれなくて…」

それでも直接言われた女は、同性の『デキル女』の言葉は少し堪えた。

「へっ?何よそれ」

「名乗っていただかないとお繋ぎできませんと、お伝えたんですが…。でも大切なクライアントだったら無下にできませんし…」

新進の小さな会社なので、何でもこなさないといけない。開発担当の陽子だったが、営業を飛ばして、直接商談をしたがるクライアントからの指名が多かった。

「カチョーが人気モノってことっすよ」

営業主任が茶化した。

「あっそ。素直に聞いとくわ」

軽く受け流した陽子は受話器を取り、点滅する外線ボタンを押した。

「お待たせしました各務です」

とりすました他所行きの声だ。

『あ〜、ようやく繋がった〜、何度も連絡取ってるのに、全部シャットアウトだも…』

受話器から軽い調子の声が聞こえてきたので、陽子は慌ててスピーカーを手で押さえ、直ぐ様保留ボタンを押した。

「ちょ、チョット失礼…」

陽子は誰ともなく断わり、慌てた様子で部屋の端に在る、パーテーションで仕切られた打ち合わせブースに足を向けた。

「どうしたんすか?ここではできない電話すか?」

転職が多いこの業界、能力の高い陽子には引き抜きの勧誘が多い。それを危惧した営業主任が、ブースに入る陽子の背中に声を掛けた。

「そうよ。だからブースを使ったのは部長にはナ・イ・ショ」

それまでやや硬い表情をしていた陽子が、営業主任の問い掛けに、惚れ惚れする笑顔と見事なウインクで答えた。

「うっ!」

営業主任のドギマギした表情を尻目に、陽子はブースに入って後ろ手に扉を閉めた。その扉が締まり切るのを待って、事務室に居た3人の女達が顔を寄せ合って囁き始めた。

「引き抜き?」

「彼氏じゃないの。どんな声だった?」

先輩格の女が、電話を繋いだ女に聞いた。

「え〜っと、結構若いような…」

「やっぱり彼氏よ。ホラ、時々このビルの下で車止めてるイケメンいるじゃない。この前、あの車に課長が乗ったの見たのよ」

「えっ、あの背の高い人!あれって課長の彼氏だったんだ」

「それマジ?ヨーコ課長に男が居るってことか?」

陽子のウインクでメロメロになっていた営業主任が、女達の話を聞いて会話に加わった。



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