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痴漢専用車両へようこそ
【痴漢/痴女 官能小説】

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陽子のお仕事-2

「当たり前じゃないの!あんな美人でオマケにスタイル抜群なのよ。それに気配りの出来る女がフリーなワケないでしょ」

「ガ―ン!」

営業主任はショックを受けたように、芝居がかった仕草で頭を抱えた。

「主任には無理無理」

「そうそう」

落ち込む主任に、先輩格の女が手をヒラヒラさせながら言うと、残りの女達も揃って頷いた。

「やっぱり、オレには高嶺の花か…」



(うふ、主任たら可愛い。あれは絶対にあたしに気があるな。一回くらいさせてあげようかしら)

扉の向こう側で営業主任が落ち込んでいるのも知らず、陽子は主任のドギマギした表情を思い浮かべながら、手をスカートの中に滑り込ませた。

今日は忙しくて、日課の自慰行為はしていない。こんな時にセックスの事を思い浮かべると、ついつい条件反射で弄ってしまう。

最近は下着は穿かないことが多くなった。陽子の指がそのまま、ぬるむ割れ目に食い込んだ。

「あふう…」

陽子は恍惚の表情を浮かべたが、しかし、それも束の間、電話の保留ボタンが点滅するのを見ると我に返り、敵を見るような目付きで電話器を睨んだ。

(もう!ゆっくりオナニーもできやしない。スルーしてやろうかな…)

一瞬思ったが、それをすると電話の相手が、更に面倒な事をしそうなので、一旦電話に出た限りは、そういうワケにもいかない。

覚悟を決めた陽子は、受話器を取って息をスーッと吸い込み、保留ボタンを解除すると同時に、受話器に怒鳴り声をぶつけた。

「バカッ!会社にまで掛けてくるなっ!」

その怒鳴り声は、陽子の狙い通りに相手の耳を直撃した。

『うっわ!吃驚したあ!』

相手の怯んだ様子に少しだけ気を良くしたが、勿論、それだけでは陽子の気が収まらない。

「手島っ!あんた一体何を考えてるのよ!会社には絶―っ対に掛けてこないでって言ってたでしょ!あんたのせいで色々詮索されちゃったじゃないのよ!」

電話の相手、手島雄一には、『会社の電話には何が有っても絶対に掛けてくるな』と普段から釘を刺していた。それを破った手島を陽子は呼び捨てにして捲し立てた。

『だ、だって陽子さん、オレの電話にもメールにも全然出ないじゃないですか。迎えに行ってもスル―して逃げちゃうし、こっちも最終手段ですよ』

手島にも言い分は有った。

「あたしの立場も有るんだからね!」

『立場だってぇえ』

受話器から聞こえてきた呆れかえった声に、陽子はイラッとなった。陽子がイラつくのにも背景があったのだが、そんなイラつく陽子をドキリとさせる声が、手島の声に被せて受話器から漏れ聞こえてきた。

『…もういい、手島、電話を代われ…』

「ゲッ!」

手島とは全く違うそのくぐもった声を聞いた陽子は、反射的に電話を切ろうとした。しかし、陽子の行動を読んでいた相手の方が上手だった。

『…電話を切るなよ!切ったら今から会社に乗り込むぞ!ほら、手島、早く電話を寄こせ!…』

(最悪…)

陽子はその声を聞きながら、額に手を当てながら目を瞑った。

『陽子!家に全く顔を出さないとは、一体どういうつもりだ!』

「うっ…」

手島から電話を捥ぎ取ったであろう相手の剣幕に、陽子はたじろいだ。陽子を怒鳴る相手の横では、ビクリと身を震わす手島の姿が、陽子には手に取るようにわかった。

「お、お父さん、ご無沙汰…」

陽子は電話器の向こうの父親に向かって、声を絞り出した。



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