返事-3
土曜日の夜になったが、待てど暮らせど裕也からの返事は無い。
(飲ませ過ぎて覚えていないのかな…)
日曜日も同じだった。
(酔った勢いで話に付き合ってはみたけど、いざ臆してしまったとか…)
色んなことが頭をよぎった。
結局、裕也からの返事は無いまま週末が過ぎた。
月曜の夜、いつも通りに2人で夕食を食べながら、寿紀は希美に尋ねてみた。
「新人さんはどう?」
「あ、忘れてた!金曜日はありがとうございましたと伝えて下さいって。楽しくて少し飲み過ぎたみたいよ。」
「そっか、少しは仕事覚えるようになればいいね!」
「そうね。まぁ、それとこれは別だから。どうなるんだか…。そうそう、アドレス交換した?」
「アドレス…あぁ、したよ。」
「どうしてアドレス交換したの?」
「い、いや、特に意味はないけど、何かの時に…」
(妙に勘が鋭いよな!いつものことだけど…)
「変なの…。でね、アドレス登録するに間違えて電話番号も一緒に全部消しちゃったんだって!」
「、、、そうなの?」
「私忙しかったから教えてないよ、寿紀は鈴木君のアドレスやら分かると思ったし。」
「特に何も無いし、まぁそのうち…」
(ハァ…何だよ、ダサいやつだなぁ!)
(だから返事来ないのか…↓↓)
寿紀は深い溜め息をついた。
(こっちから連絡してやんなきゃだけど、こっちが焦ってるみたいでヤダなぁ、、)
寿紀は、アドレス消したみたいだけど、金曜日は楽しかったか、仕事はどんな感じか…等どうでもいい内容で裕也にメールしてみた。
しばらく返事が無かった。
(やっぱ気にしてるのかな、まだ新人さんだしなぁ)
23時30分過ぎ。
希美ももう2階で寝てしまっていた。
寿紀は1階で深夜ニュースを観ながら諦めかけていた。
“♪♪♪〜♪♪…”
不意にメールの着信音が鳴った!
ドキッとする。
寿紀はなぜか震える気持ちで画面を見た…。