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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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好き…だぁーい好きなんだからっ!-1

「わぁー、いっぱいあるー!すごーい。」

小樽観光名所の一つオルゴール館。文字通り色や形様々な沢山の音箱に、僕らは入院時には知れなかったこの街の魅力に触れる事が出来た。

「向こうにおっきなオルガンまである!ほら見てっ!。」
「あっ、うんっ!」

子供のようにあちこちはしゃぐ杏、駅を降りてきてから益々ヒートアップしてる。

「これだけあると一つくらい買いたくなるね。」
「まぁ、良い想いでにはなるね。」

明るく元気にはしゃぐ彼女、それは僕の求める彼女の姿。僕はそんな彼女が好きで、一緒に居ると元気になり、世界が明るく感じる。

ただ…、今の彼女の明るさは本物ではない。

無邪気に笑う横顔が何処か暗く感じる、それは杏を心の底から愛してる人間にしか判らない事。

「いやー、結局全部見て回りましたねぇー、得しましたねぇー。」
「そうですねぇー。」

館に背を向け、マップを広げ次の目的地へ向かう彼女。

「次は硝子堂へいこーや。」
「それ、さっき行ったばかりだよ。」
「そっ、そっかぁーあははは。じゃ、じゃー例のあの有名な川を。」
「人通り見てから行くんじゃなかったっけ?」
「あーー、そうでしたねぇー、私ったら、もぅ…。」

お茶目に振舞う彼女、あからさまに落ち着きがなく。

「まぁいい、もう充分観た事だし、行くか。」


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