C.-5
今日で5連勤を終えた。
陽向は病院からバスに乗り駅へ向かうと、乗り慣れた電車へ乗車し、聞き飽きた駅『東武蔵山』に降り立った。
何度か湊にはメールしたが一行に返事が返ってこない。
今日と明日は休みって言ってたのに。
陽向は今度演るライブの音源を聴きながら駅から湊のマンションへと歩いていった。
ここであーしよう、ここでもっとためたらもっと良くなる!なんてウキウキ妄想していた時。
「…ぎゃっ!」
後ろから何者かに抱きつかれた。
「い…いぁーーーーー!やだぁっ!うぁーーー!」
駅前から少し離れた住宅街に声が響く。
「陽向、おい!」
半ベソで聞き慣れた声のする方を見ると、大好きな人がいた。
「み、みな…と……」
「そんなビビると思わなかった」
「てかなんで返事くれないのバカ!」
「バカはてめーだろーがアホ。俺がいっくらメールしたってシカトしやがったくせに」
「うそだ!あたしがメール送ったのに返事しないの湊じゃんっ!」
「はぁぁ?嘘じゃねーしメールボックス見てんのかお前」
陽向は携帯を操作し、湊に自慢気に画面を見せ付けた。
「…ウケる。これで言うか」
「へ…?」
陽向は目をこすり、自分の携帯の画面を見た。
『新着メール5件』
湊は「それでよく言うよ」と爆笑した。
「電波が悪かったんだもん!」
「あー、そーですか」
そう言い、湊は歩きながら左に並んで歩く陽向の右手をギュッと握った。
「ちっちゃい手。患者さんに文句言われない?」
「…言われないよ。手の大きさなんて関係ないもん」
「ははっ…だな。最近どう?こんくらいの時期が大変なんだろ?看護師って」
湊と手を繋ぎながら歩く夜道。
住宅街だけど、周りは静かで、星がすごく綺麗だ。
「辛くないよ」
そう言いながら陽向は今日の事を思い出した。
瀬戸や進藤にガツンと言われ、自分の不甲斐なさに悲しくなり、進藤に慰められたけれども…やっぱり、辛いのには変わりない。
自分はこんなんで良いのだろうか……。
もっとやれるべき別のモノがあるんじゃないだろうか…。
やれるべき…やりたい、他のモノが…。
「ホントに?」
強がった自分が間違いだった。
今日くらいは、ありのままの自分でいたい。
陽向はそう思った途端、既に崩壊していた涙腺が決壊し、湊に抱きついてわんわん泣いた。
湊は黙って抱きしめてくれた。
「陽向…今日はいっぱい泣きな」
「うっ…うぁぁっ…湊っ……」
髪を撫でてくれるその手つきが愛おしくて、懐かしくて、更に涙を誘う。
「お疲れだね、ひな坊」
陽向はソファーに寝転がりながらヒクッとしゃっくりをし、頭元に座る湊の手を握った。
「湊…」
「ん?」
「明日、仕事?」
「明日は休み」
「そっか…」
陽向はウトウトしながら、湊の左手を頬に当ててイヒヒと笑った。
「何その笑い」
「明日は何しよーか」
「公園行くんじゃねーの?…そこの」
「うーん…」
そうだったっけ?と思考回路が停止する。
湊と行けるなら、どこでもいいや。
陽向はそのまま深い眠りに落ちかけていた。
「陽向」
「ん…」
「寝るのはナシな」
「へ…?」
湊は陽向を軽々と持ち上げると、ベッドルームに連れ込みいきなり深いキスをし出した。
「…っあ!湊っ…ん……」
「…拒否すんの?」
筋肉質な腕がシャツの下から入ってくる。
ブラを掻き分け、敏感な突起に触れる。
しばらくしていないせいか、陽向はビクッと身体を縮こませた。
「ひな…」
湊のこの声には弱い。
耳をこれでもかと舐められる。
「あっ……ぁぅ…湊…や…だ…」
「気持ちいなら、気持ちいって言えよ」
「んんんっ……ぁ…き……気持ち…ぃ…湊……う…」
ピタッと愛撫が止む。
たれ目を潤ませて湊を見ると、湊は纏っていたものを全て脱ぎ、陽向のスカートを剥いだ。
いきり立った大きな物を口にあてがわれる。
舌先でチョロっと舐めると、それがピクンと動いた。
「もっと…」
湊は陽向の頭を優しく撫でて、口の中へ入れるように促した。
素直に従い、熱い肉棒に舌を絡める。
「…んっ」
湊は甘い声を漏らしながら陽向の小さな乳房を揉みしだいた。
下半身がどんどん熱くなる…。
「んん…ぁ…」
最大に膨らんだものが口の中から飛び出す。
そして、秘部に擦り付けられる。
そのまま入れずに、抱き締めて首筋を舌で愛撫する。
「やっべ……ちょー濡れてる。……したかった?」
頬を仄かに赤く染めた湊が耳元で囁く。
その腕は、しっかりと自分の背中を抱き締めてくれている。
自分の愛液を纏ったそれが、クリトリスを何度も刺激する。
陽向はその度に身体を震わせて小さな声を出した。
「湊に…会いたかった…」
「俺も。お前に会いたかった…」
湊はそう言うと、陽向の中にいきり立ったものをゆっくりと沈めていった。
「…っ!」
「んっ…ぁ……痛い?」
半分もいかないくらいで、無意識にギュッと奥が締まる。
「だいじょぶ…だから……。湊…へーきだよ…」
湊は陽向を抱きしめ、腰を更に奥へと進めた。
愛おしい痛みが身体を貫く。
陽向は湊の背中を抱き締めてギュッと目を瞑った。
目尻から涙が零れ落ちる。
「んんっ…ぁ…」
「んぁ…ひな……へーき?」
「うんっ…」
と言う陽向はポロポロ涙を零していた。
「やっぱり痛かったんだろ…」
「へーき…だもんっ…」
「…動くよ」
「ん…」
湊は陽向の上半身の服を全て剥ぎ取ると、優しく抱き締めた。