生きる喜び-4
夜になり、母は食器を磨き、父は釣竿を磨き…、平穏な家庭に戻り、お風呂でさっぱりして部屋に戻る、風呂場は自らの命を絶つ場所ではない、断じて。
全身を全てベットに投げ入れるように、背中を布団に叩き付け。
「ふぅ……。」
見慣れた白い天井。
私、何やってるんだろう。
何年にも渡り願いに願い続けた理想の現実。
私たちは完全なる幸せを手にした…、一人の臆病な少女が勇気を持って前に手を刺し伸びさえすれば…。
「私、どうすれば良いんだろう…。」
頭の中がモヤモヤする。
その時、ケータイのメール受信を知らせる音が鳴り。
だるい体を起こし、ケータイを手に取る、すると。
「絆…。」
絆からだ。何を考えるでもなくボタンを押すと。
今度の休みの日、小樽に行かない?
と、書かれた画面。…小樽。
そこに、答えが…、本当の幸せが、存在するのだろうか…。
次回、最終話へ続く。