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good communication
【若奥さん 官能小説】

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デート、開始-9









とまあ、そんな経緯で私は華麗なる変身を遂げることが出来たらしいのだけど……。


「どうした、なんか疲れてないか?」


「だ、大丈夫……」


オネエ達のスパルタ式変身術は、髪のセット、メイクだけに留まらず、ネイルや自分じゃ処理しきれなかったムダ毛のお手入れ、そしてなぜか歩き方、立ち振舞いに至るまでダメ出しをされた。


奴ら曰く、動作一つ一つからも大人の魅力を滲ませなきゃダメなんだって。


と言うわけで、付け焼き刃だけど厳しい指導を短時間に受けて、そのせいで頭がパンクしてしまうほど疲弊してしまったのだ。


肝心の外見の変身については、少々物足りなさを感じる所があった。


髪の毛だって、緩く巻いてふんわりしたハーフアップだし、メイクもつけまつげをつけるわけでもないし、アイラインだっていつも私がやる、目元強調メイクより全然くっきり引いてないし。


なのに、やたら時間ばかりかかっていて。


全然物足りないメイクが終わって、すっぴんとさほど変わらない仕上がりに、ホントにこの人達はプロなのか、疑わしいとすら思ってしまった。


だけどアイツらは「バッチリね」なんて二人で顔を見合わせているだけ。


ホントにバッチリなんでしょうか?


仕上がりに一抹の不安を感じながらも、私はようやく身体を起こし、輝くんと向き合った。


「……さ、出掛けましょうか」


「…………」


「パパ?」


向き合ったはいいけど、彼はボケッと口を開けたまま、私の顔を見つめていた。


その表情は眉間にシワが寄ったような、何だか難しい顔。


その様子が私をソワソワ落ち着かなくさせる。


もしかして、こういうカッコは好みじゃない……?


しばらく難しい顔で私を睨んでいたかと思うと、彼はフイッとあさっての方を見て、


「……いい感じじゃん」


と、愛想のない声でボソッと呟いた。


今、褒めてくれた?


空耳かと疑ったけれど、ビックリして彼をよく見れば、耳が赤くなっていた。


え、これはもしかして……。


「ほら、行くぞ」


そう言った輝くんはこちらに背を向けたまま、バトンを受け取るみたいに、手だけをこちらに差し出していた。





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