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裂かれた制服
【その他 官能小説】

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裂かれた制服-1

「ねえ。その後、彼とはどう?」
下田康子巡査長が田中真紀巡査長に交番で興味ありげに聞いてくる。
「まあ。順調よ。婚約は決まったも同然だしね。」
「そう良かったわね。山村さんは私の憧れの人でも有ったんだけどなあ」。
「御免なさいね・・・。」
山村は署内でも中々の美男子で幹部の息子だった。
真紀が笑っていると若い女性の悲鳴が聞こえた
「きゃあああ。誰かああ。泥棒よ。」
交番を出てその声の方を向くと若い男が猛スピードで走って来た。
「止まりなさい。」
「うるせい。」
男は怒鳴りながら殴りかかるととっさに腕を捻り地面に抑え込み手錠を掛けた。





「不起訴・・・。そんな・・・。」
真紀が悲鳴の様な声を挙げた。
彼女が取り押さえた犯人と思しき人物が不起訴処分になったからだ。
「ああ。残念だったな。証拠不十分だ。」
「でもあの女性この男だって言ってたんですよ。」
「引ったくりにあったのはそうだがあの瞬間は気が動転して犯人顔をしっかり見ていないらしいぞ。それにどうもあの人は情緒不安定で心の病気らしいし。」
「そうなんですか。でもあいつは。」
その男は調べによると暴行や恐喝などお前科持ちだった。
ショックでがっくりと肩を落とし沈んでいると警察署の前に外車が止まるとスラッとした男が入って来た。
椅子に座ると足を組んで待っていると美紀が抑えた男が出て来た。
「兄貴。」
「俊太。良かったな。」
笑いながら俊太と言う男の両肩をパンパンと叩いて喜んでいる。
すると横を見た俊太と顔が合う。
「兄貴、この婦警だぜ。こんな酷い目に合わせたのは。」
「ふーん。あんたか。うちの弟分を痛めつけてくれたのは。」
真紀の顔から全身までくまなく見まわす。
「どうだい。俺とイッパツやらないかよ。今晩どうだ。待ってるぜ。」
「なっ。」
真紀が憤慨するとそう言うとさっさと去って行った。
「なんですか。あの人。」
「ああ。ここらの海門組の若頭だよ。西村健吾。まだ30歳だってのに商才があって財力も凄いらしいぞ。お前気に入られたんじゃないか。気を付けろよ。」
「まさか。」
真紀は思わず吹き出してしまった。


それからという物、真紀が住んでるアパートの窓から外を見ると見知らぬ男が電柱から隠れてこちらを見ている。
直ぐにカーテンを閉める。



「この頃、変なストーカーに付き纏われてるのよ。」
「えっ。それは大変ね。この前の事件との関連も有るの?」
「それは分からないけれど。だったら怖いな・・・。」
真紀は少し不安になり始めた。
「じゃあ見回りに言ってくるわ。」
康子は自転車に跨り出かけて行った。
「さてと。」
交番に残されると大柄の男性が入って来た。
「あのお聞きしたい事がるのですが。宜しいでしょうか。」
「はい。何でしょうか。」
「田中真紀さんは貴方様ですか。」
「えっ。そうですが。何か。」
次の瞬間ハンカチで鼻口を塞がれ気を失った。



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