第50章 この体が誰のものかハッキリとしておかないとね-1
睾丸内の汚物が取り除かれると、ひたぎはマニキュアのリムーバを取り出し、昴の体に書き込まれた瞳の文字を拭き取りに掛かった。幸いなことに文字はリムーバで浮き上がり、比較的簡単に消し去ることができた。
「この体が誰のものかハッキリとしておかないとね。水晶、彫師は手配できるかしら?」
水晶が不安そうな表情で、できると答えた。
「昴。あなたが決めなさい。私の昴でいたいのなら、私の名前をあなたの下半身に刻むのよ。それも前から後ろまでビッシリとね。私が死んだ時の為に、消すことができる彫りの浅いものにしてあげる。だけど、浮気はもちろん、他人とお風呂に入ることもできないわね。私と付き合うということは、そういうことよ。それでも昴、あなたは私の傍に居たいのかしら?」
愚かな行為であることは分かっていた。しかし、昴は迷わずそれを受け入れた。
「間違いが起こる心配もなくなりそうだ。そうさせてもらうよ」
「そう。初体験を済ませたら、すぐに進めましょう。もう、私から離れられないわよ」
ひたぎは水晶に、彫師とのスケジュールを調整するよう指示した。
「後は、あなたの内臓に残った汚物の洗浄ね?」