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THE 変人
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瀬奈の真実-9

 知香の表情はいつのまにか穏やかになっていた。そして優しい口調で言った。
 「私はね、以前悪い男にレイプされそうになった事があるの…。」
 「えっ…?」
いきなり話が飛ぶ知香に驚く。
 「それを海斗さんに助けて貰った事があるの。だから私は海斗さんに感謝してる。正直、好きだった。ううん、もしかして今でも好きかも…。でも海斗さんは私の事をきっと妹のようにしか見てない。それが分かるの。だから私から見たらちゃんと女として接して貰ってる幸代ちゃんが羨ましいんだよ?」
 「えっ…?」
知香が海斗の事を好きだと言う事は初めて知った。衝撃的な告白だった。
 「私はお兄ちゃんとして海斗さんに接する事でしか仲良くしてもらえないの。でも幸代ちゃんは違う。海斗さんを好きになる気持ち、痛いほど分かる。だから私は幸代ちゃんには頑張って欲しいの。必ずゲットして欲しいと思ってる。だから好きなのに意地張ったり思ってもない事を言うの、止めようよ。好きなら好きって気持ちをはっきりさせようよ。海斗さんの為に何ができるか良く考えて、そして必ず海斗さんを振り向かせてみなよ?ね?幸代ちゃん?」
 「知香ちゃん…」
幸代は知香の顔をじっと見つめた。優しい言葉で自分の頬を思い切り叩いてくれた知香にいくら感謝の言葉を並べても足りないぐらいの感謝の感情を抱いた。
 「知香ちゃん…やっぱ可愛いい!」
幸代は知香に思い切りハグした。
 「や〜ん幸代ちゃん♪」
 「好きになりそう〜♪」
幸代は知香に抱き着いて離れなかった。それを見ていた聡美は温かい目で2人を見つめていた。
 (私も海斗さんの事、ホントは好きだったのよね〜。秘密だけど♪)
それだけに幸代を思い切り応援したい気持ちでいっぱいなのであった。


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