瀬奈の真実-3
「その事を聞いたら、仕事の付き合いで飲み屋に行った時についたんだって言ってた。今日はどこ行ったの?今日はって飲みに行ったという日に帰って来た時に毎回聞くとね、その都度違う店の名前を言った。でもおかしいの…。行く飲み屋は違っても香水の匂いは一緒。同じなの。飲み屋の色んな女の子が偶然同じ香水を使ってる??そんな訳ない。同じ女の子と一緒にいるって思った。飲み屋に行ってるんじゃなくて浮気してるんだって。そう考えると色々と思い当たるフシが出てきてね、有樹は精力強くて、たくさんイヤラシイ事をしたがる人なの。特にお口でされるのが好きで、暇さえあれば良くフェラさせられてた。そんな有樹が飲みに行ったと言う日はまるで嘘のように何もしたがらない事に気づいたの。誘っても疲れてるとか眠いとか言って…。家で飲んだ後なんてムラムラしたからって良くエッチしたがるのに外飲みの日は全く…。おかしい事に気づいたの。浮気相手としてきてスッキリしてるに違いないって。私は確信した。有樹は浮気してるんだって。」
瀬奈の手が強く海斗の手を握りしめる。体温も上がってきたみたいだ。瀬奈は怒りの感情を必死で抑え込んでいるようであった。
「ある日ね、私が高校の同級生と遊びに行った時、街の中で偶然有樹を見かけたの。誰かと約束してる様子であたりをキョロキョロしながら見ていた。そうしたら誰かを見つけて手を振ったの。そして有樹に手を振り寄っていく女。2人は仲良く腕を組んで夜の街に消えて行ったわ。帰ってから問いただすと浮気を認めた。大学の時に付き合ってて別れたけど、その後も関係が続いてるって事だった。それが月島優衣という女。復縁を望んでるのがすぐに分かった。挑発的な女でわざとだろうけど偶然を装い私の前にも現れた。あの女の顔が頭に浮かぶと私、訳が分からなくなった。もしかして私の努力が足りないのかと思って家事は一生懸命した。料理も頑張った。セックスだって頑張った。ネットで調べて男の人の喜ぶ事を覚えて頑張った。いつか私にだけ愛を向けてくれると信じて…。でもあの女の香水が消える事はなかったの。どんなに頑張っても、努力しても…。私は頭がおかしくなりそうな毎日を過ごしてたの。」
手に精神状態の不安定さが伝わってくる。海斗は瀬奈の手を摩りながらじっくりと話を聞いていた。