瀬奈の真実-10
この日は幸代との同行がなかった海斗は落ち着いて瀬奈と向き合えると思った。しかし腕の傷の手当てを聞かれついつい会社の事務員にしてもらったと答えた海斗に瀬奈は狂乱してしまう。
「こんなに丁寧に手当てしてくれるなんて、絶対あなたの事が好きに決まってるわ!誰よ今度は!誰に手当てしてもらったのよ!?」
昨日同様暴れるる瀬奈に身を守る海斗。瀬奈の嫉妬の対象が瀬奈だけではなく海斗に関わる全ての女なんだと気付く。
瀬奈の発狂は1時間は続いた。最後は泣き叫びながらひたすら拳で海斗の体をドンドンと叩きつけながら収まっていく…、そんな毎日が続いた。
「海斗ぉ…」
自分が痛め付けてしまった海斗の体を手当てする瀬奈。
「心配すんなって。こうして瀬奈に手当てして貰えて嬉しいんだからよ。飴と鞭だよ。こんな飴が待ってるならいくらでも鞭を受けてやるぜ!ハハハ!」
そんな海斗に申し訳なくて仕方がない。しかし自分は海斗にすがるしかない。海斗を信じるしかない、そう思っていた。
瀬奈はだからこそせめてセックスだけは海斗に尽くして尽くして尽くし尽くそうと決めていた。海斗が気持ち良くなる為なら何でもした。求めて来ない事でも自ら積極的に行った。尽くした分だけ愛情が返ってくる海斗に瀬奈はセックスの幸せを感じていた。海斗の赤ちゃんが欲しい…、本気でそう思えてきた。
「私、海斗とのセックス、大好き。」
「俺もだよ。ハァハァ」
海斗の体の上に乗りゆっくりと腰を動かす瀬奈。
「ハァハァ…、気持ちいい…。あっ…、あっ…。海斗は気持ちいい…?」
「ああ、凄く気持ちいいよ…」
「良かった…」
瀬奈の体を柔らかく撫でる手。乳首をキュッと摘まむと甘く歪ませる瀬奈の顔が可愛い。
(瀬奈は本当はこんなにいい子なんだ。本当の姿を絶対に取り戻してやるからな…)
そう思わずにはいられなかった海斗だった。