〈我ハ“八代”ナリ〉-5
『……あら、何の用なの?』
タムルもまた、景子を虐めるのに夢中になっており、専務が邪魔だと言わんばかりな態度をとる。
不貞腐れたくなる気持ちを圧し殺し、専務はサロトに言ったのと同じように、ヘコヘコしながらリクエストを促した。
『そうねえ……双子の美少女姉妹とか面白いかしらねぇ?……お姉ちゃんのオマ〇コを弄くり回してさぁ、妹に同じコトして同じように感じるか調べちゃうとかぁ……ウフフフ……』
サロトより少しだけましな答えを貰え、専務の顔に僅かに安堵が浮かんだ。
『さあ、楽しいお食事の時間よぉ〜』
やはり……と言うか、直ぐにタムルは専務の事など其方退けにして景子にまとわり付き、汚い床からスープ皿を持ち上げて、その熱々なスープを啜り出した。
『う〜ん、美味しいッ。とっても熱いからぁ、御主人様が冷ましてあげるわねぇ〜』
尖った唇は『ズズズ……』と音を発ててスープを啜り、頬はプクンと膨れた。
するとタムルは、ブクブクと嗽(うがい)するように頬を動かし、その唇を景子の口へと近付けた。
「おがッ!?がはッ!!がぼぼ!!」
ジョボジョボと音を発てて流れ込んだスープは、あっという間に景子の口内に溜まり、呼吸を塞いだ。
マスクで見えていなくても、この口に注がれたスープが、タムルから口移しにされた物だと景子は理解しているだろうし、その汚ならしい液体を吐き出そうとして必死に咽せた。
頭部はベルトでヘッドレストに拘束されてしまっているし、両腕は背もたれと同化させられている。
開脚用のアームに拘束された両足だけが、地団駄を踏むように虚しく藻掻くのみだ。