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〈亡者達の誘う地〜刑事・銭森四姉妹〉
【鬼畜 官能小説】

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〈我ハ“八代”ナリ〉-11

『……ところでサロト……余計なお節介だとは思うが、あの金髪の男とは手を切った方がいい……向こうの国で“チョンボ”して一斉捜査なんてなったら……アンタまでその手が伸びないとも限らんぜ?』


サロトが八代の正体を知らずとも、八代はサロトと金髪鬼の関係を知っている……これから、その蜜月が断ち切られてしまう事を、八代は暗に告げているかのようだった……。


『ほう……あの男を知っておったとは?じゃあサトウの言う通りリストラしようかの?つまらん会社ゴッコなど辞めて“専務”の肩書きは外してしまうとするか……そしてワシも社長から退任じゃて……グハハハハ!』






数年前、夏帆達を拉致した犯罪集団の中で、〈専務〉と呼ばれていた男はサロトの直属の部下だった。
あの小さな事務所は実は、サロトが社長となって経営している木材会社の、日本支社という位置付けだったのだ。
勿論、正規のものではなく、完全なるダミー会社の類いだ。

そして、現在の専務と呼ばれている金髪鬼は、スライドする形で今のポジションを得ただけに過ぎない。
大した苦労もせずに、口先だけでサロトに取り入られた金髪鬼は、元から未熟だった精神を成長させる術を自ら失った。

我が身を弁えぬ傲慢さは、サロトと今は亡き専務が増長させたと言っても過言ではなく、人を統べる器でも無い男が頂点に立つ組織は、例え犯罪集団であったとしても、自壊してしまうのは時間の問題とも言えた。


『……ここだけの話……自家用ジェット機で、家畜を運んでくれるという奴を見つけたんじゃ……子豚だろうが子猫だろうが“産地直送”だそうじゃよぉ……』


銭森姉妹を消し去った八代には、もうそんな話に付き合う気持ちも興味も無かった。
社交辞令的な相槌と、手に入れられた商品の対価を支払うと、足早に立ち去った。
もはやあんな醜いハゲオヤジになど、何の用も無いのだから……。





――――――――――――





航海は順調だった。

外洋に達しても波は穏やかなままであったし、風も心地好く吹き抜けていくだけ。
寧ろ、雲行きが怪しいのは、悠々と往き足を進める貨物船の中の方であった。


『聞いたかよ?あの金髪野郎、春奈も景子も姦っちまったらしいな?』

『馬鹿、それだけじゃねえよ。優愛と奈和も姦りまくったって話だぜ?』


船の空気は乱れが生じていた。
操舵室に居る部下以外の、甲板に集った部下達の群れは、ずっと抱えてきた不満を口々に吐いていた。

某国に着いてから、ずっと我慢を強いられている中、ただ一人、専務だけが魅力的な牝を嬲り者にして楽しんでいたという事実に、怒り心頭だったのだから。



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