井上舞の場合 2-1
今日は土曜日 舞「行ってきます」母「いってらっしゃい」何事もないかのように出て行く舞
駅に着くとコインロッカーから昨日買った服の入ったバックを取り出し、トイレに入って行き、例の口紅をつけ化粧をし始める。眉毛を極細に剃りあげ、まぶたには紫のアイシャドーをつけ、目元を黒くアイラインで描きを目元を釣り上げド派手なヤンキーメイクに仕上げる。服は光沢のある黒いジャンバーを着て超ミニのスカートを履き、ロングブーツを履いた。舞「なかなかいけるわね」と煙草を取り出し、いつもの様に火を点け紫煙を吐き出し、咥え煙草のままトイレから出てくるのだった。
舞は肩で風を切るように街を歩き、ヤンキー女と出会うたびに喧嘩をしてお金を巻き上げていく。「テメー ぶっ殺してやる」そう言い放つのはこのあたりでもワルで有名な女バットを振り回しながら舞を追い詰めていく。舞「やられる」そう思った次の瞬間、女のバットは空を切り、地面を激しく叩きつけた。舞「今だ」舞は女に激しい蹴りを食らわし、女の手からバットを奪い取り女目がけて叩きつけた。「プシュー」女はバットを避けたものの完全に避けることはできず、バットは女の額を切り血が勢いよく噴き出した。血を見た瞬間舞の中の何かが弾けた。そのまま相手の腹に蹴りを再度食らわし、相手が倒れたところを腹を蹴り続けた。
「もうそれくらいで止めてやれよ それ以上やると死んじゃうよ」そう声がする。舞はその声の方を見る。舞の視線の先には髪の毛を金髪に染め、舞に劣らぬ化粧をした派手なヤンキー女が立っていた。女「ついてきな」そう言うと女は舞に背中を向け歩いていく。
女の行った先はとあるバー 日中の為、当然営業はしていないが女はそんなこと気にも留めずに入って行き舞も後に続く。女は中に入り座ると煙草に火を点け紫煙を吐き出し、舞に向かって「吸うかい?」と煙草を差し出してきた。舞は黙って受け取ると火を点け紫煙を吐き出した。女「アンタ 強いねー あたしの名前は工藤リサ 名前は?」舞「マイだよ」リサ「マイね 何か飲む?」そう言うとビールを取り出した。舞にとっては生まれて初めてのアルコールであったが意外にも飲んでみると美味いそう思った。
リサ「何警戒してんだよ 何もしねえよ」そう言うリサ、リサは次々と煙草に吸っていく。舞も煙草を吸おうとしたが煙草がもうないことに気づく。リサ「なんだ 煙草ねえのかよ やるよ」そう言うと煙草を差し出してきた。舞は思わず笑みがこぼれた。リサ「マイ もしかしてタ●ポ持ってないのか?」舞黙ってうなずいた。リサ「仕方ねんな これやるよ」そう言うと舞にタ●ポを渡した。舞はニヤリと笑うとポケットに入れた。
この日を境に舞はリサとつるむ様になっていく。