『子羊の悩ましい日々 〜フィー・モウセンゴケ編〜』-2
ちなみに裸で、胸は若干膨らんでいる程度だ。
「子羊さんだよね」
「う、うん」
「私はフィー・モウセンゴケのニナ。今回は私の練習相手になってね♪」
にっこり微笑むと、ニナはロイの首に腕を回してキスをした。
「ちゅ……ちゅる……」
いきなり舌を入れられてロイは目を白黒される。何度体験を重ねても、相手が違うのでどうしても戸惑ってしまう。
「あなたの首、細いのね……。唇もやわらかいし、なんか女の人を襲っているみたい……」
楽しそうに言いながらロイの服を脱がしていく。もっとも、人間の服を脱がすということは初めてらしく、ロイが手伝わなければいけなかったりした。
「ふふふ……」
ニナは手をロイの華奢な身体に這わせる。きめ細かいロイの肌が気に入ったのか、何度も何度も夢中になって手を這わせる姿が妙に子供っぽい。
「あはは、あなたの肌って気持ちいい♪」
「あのさ、一つだけ気になってるんだけど」
「なあに?」
「足元の粘液。これって消化液じゃ……ないよね?」
「…………」
一瞬沈黙が訪れる。
その沈黙に、みるみるロイの顔が蒼白になっていく。
「ね、ねえ! 違うと言ってよ!」
「だ、大丈夫よ! 溶けるのには結構時間かかるし!」
「ちょっと待ってぇぇぇぇぇぇぇ!!??」
必死で足を抜こうとするが、いかんせん線毛がたくさんまとわりついていていかんともしがたい。まあ、簡単に脱出できるなら意味はないよなー、と冷静に分析してしまう自分が憎らしい。
「なんてね♪ 大丈夫よ、今出しているのは捕獲するためだけの粘液だから」
「……本当?」
「本当よ、だって精液を得るための相手を溶かしちゃったら意味ないもの……
って! 泣かないでよ! あ、ごめんごめん、本っ当にごめんってば! ちょっと驚かしてみたかっただけだから!」
ニナはさめざめと泣くロイを胸元に抱き寄せる。ロイの体温が胸元に伝わってくる。ふと思いついてロイの頭を撫でると、ロイはその格好のままギュッとニナの背中に手を回して抱きつく。
「あ……」
身体にかかるロイの体重と体温に、ニナは何かを刺激されて、そのまま強く抱き返す。
「なんかもう……反則ね、あなたって……」
ぶつぶつと呟くと、ロイの周囲の線毛がゆっくりと伸び始めた。
「ただ精液を取る練習だけだと思ってたけど、気が変わったわ。身も心をもとろけるぐらいに愛してあげる……初めてだけど頑張るから」
ロイの頭を両手で優しくはさみながらキスをすると、ロイの身体を無数の線毛がまさぐり始めた。
「な、何、これ……」
ロイは全身を這い回るぬめぬめした線毛の感触に早くも感じていた。ロイの手首ほどの太さがある線毛は、粘液をまとわりつかせたまま、ロイの肌を次々と這い回る。
ズズズズ……
そのうちの1本がロイの尻穴に侵入していく。
「!? ああ……!? あにゃにゃにゃ……」
線毛は弾力性がある上に粘液がたっぷりとついているので、何の痛みもないばかりか、むしろ独特の快楽をロイに与える。女性を責める男のもののように、線毛はロイの尻をグネグネと動き回る。
「……あ! あ、あん……ああ……」
まるで女性のような喘ぎ声をあげるロイ。身体は線毛が無数にまとわりついていて、身をくねりたいがそれを許さない。ニナはそんなロイを熱にうかされたような眼差しで見つめる。
「とっても可愛いわよ、今のあなた……」
ニナはロイの一物の前まで移動する。ロイのそれはすでに限界まで隆起している。わざとそこだけ線毛で責めていないのでなおさらだ。
その先は、すでに先走りのもので濡れている。ニナは目を細めて、下から見上げるようにロイの顔を見る。
「あなたの先っぽ、とっても濡れてるわよ……」
その言葉にロイは真っ赤になって目をそらす。