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田園シンデレラ
【女性向け 官能小説】

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-5


昨日、私が寝た時は庭への大きな窓は開け放たれていて。
畑が見渡せるような感じだったのに。

朝起きたら窓は閉まっていた。

それでも布団の中でしっかりと豪に抱きしめられながら
目覚めた朝は昨日の事が夢なんかじゃないと教えてくれる。

昨日の朝と違うのは
私より豪の方が先に目が覚めていて
じっと私の顔を見つめていた。

「豪?おはよ」
「おはよう」

何も言わない気まずさに今日の仕事の事を尋ねる。
やがて横浜に帰る女を抱いてしまったと
後悔されるのがいやだった。

「今日の・・・手順はっ?」
「今日は間引きをする」
「わ!間引きかぁ〜」

「ん?嫌いか?」
「嫌いじゃないけど。なんか切ないよね」
「ん?」
「たくさんの種をまいて。
たくさん芽が出たのに。人間の都合で抜いちゃうなんてさ」
「ん〜」
「せっかく太陽と土が芽を出させてくれたのに」
「そうだな」

豪は小さく笑って私を抱きしめた。



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