その5-2
「ね、ねえ、誠君、それって…」
女子が恐る恐る聞いてみる。
「女が穿くやつじゃん。」
男子も口を開いた。
騒いだり囃し立てありと言うよりは、驚きのあまりどうしていいのかわからないような状況だ。
恐らくこのクラスの人間全員が体験したことのない状況。
「そうだよ。」
あっさりと返事をする誠
「別に穿いちゃダメって決まりじゃないよね?」
「そ、そうだけど…」
堂々とした誠に、周りは何故か圧倒され始めていた。
「でもさ、なんか知らないけどさ、似合ってない?誠君だからかな?」
「ちょっと変な趣味な気もするけど、誠君なら全然いいかなとか思っちゃうよね。」
1人の女子が言い出すと、肯定的な意見が出始める
「男子もさー、誠君みたいに穿いてみたら?」
「やだよー、ぜってー無理!」
男子はまだ受け入れてはいないようだ。
そこで誠はこう続けた。
「優も僕と同じなんだよ、なあ優?」
「えっ?」