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白色金 (white gold)
【ファンタジー 官能小説】

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僕の既視感-1


「えっ、えり、えりちゃん……」
恵利子とデートの約束を交わした夜、僕は情けない声を漏らし、あの日を思い浮かべ自慰に耽っていた。

線路下倒れ落ちそうになった恵利子を抱き止めた瞬間、得も言われぬ感触が腕に広がっていく。
初めて触れたそれは、普段制服の上から目にしていた以上の感触を残した。
そして腕の一部分で触れた程度にも関わらず、何故かまるでその手にしたかの様な、ひどく現実味のある感触も残していた。

 その時
(またか…… )
いつもの感覚が不意に訪れる。
自分の中に何か異物でも紛れ込んで来たかの様な感覚、感触に囚われはじめる。
それでも、まだ意識はあり…… あり、そして徐々に薄らぎ…… はじめビジョンが浮かぶ。

(痛いっ、痛いっ、やだぁ、やだやだ、止めて…… )

(お兄ちゃん、お兄ちゃんってば…… もっと遊ぼうよ)
これは? これは恵利子? いや汐莉ちゃんの声だろうか?
フラッシュバックの様に幾つかの映像が浮かんでは消えるを繰り返す。

 その一枚の“画”が…… 唐突に動き始める。
こっ、これは、汐莉ちゃん? いや違う、これは恵利子、恵利子なのだが年齢的にはちょうど汐莉ちゃんくらいに見て取れる。
その着衣はまるで乱暴でもされたかの様に乱れ、胸元の微かな膨らみと肉付の薄い太腿が露わになっている。
そこへ自分の腕が? 伸びて行く? 行くかに思えた時、目も眩む閃光と共に次の“画”が浮かび動き始める。

「うぅっっ…… ひぃっ、もう、やめて……」
目前の少女より苦しげな呻き声が漏れ聞こえる。

(この少女は? 恵利子…… ではない? それにもっと成長していて、先程とも着衣が違っている。これは? この濃紺の色合いは学校の制服!)

その体勢故表情を窺い知る事は叶わないが、僕?の求めに合わせ少女の美しい黒髪がサラサラと音をたて揺れる。
僕?の視線は立ちバックで貫く少女との接合部を捉えている。
同時にまだ知らぬはずの感触が、深く浅く抜き挿しを繰り返す接点より脳に伝えられる。


 意識が…… 意識が不意に戻ると……
僕は何故か左手を壁に着いた体勢で、右手で激しく自身を扱いている。
壁とフローリングの床には、夥しい量の体液が飛び散っている。
それは一度や二度の射精量ではなくて……
それでもまだ僕自身の熱い火照りは静まる事無く、狂おしい程に“恵利子”を欲していた。

もっともそれは今日に始まった事では無く、転校生として現れた磯崎恵利子を目にした時からの日課でもあった。

そしてその度合い、執着度は恵利子との再会を機に異常さを増していった。
それは、そう、僕の思考に時折現れるノイズのような物が混じり始めた時と同じタイミングで……


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