シ-8
「んふふ。豪は私の髪をさわるのが好きだもんね」
昨日の昼寝の時のも気づいていたのか。
「もっとなでて」
そんなことを言いながら擦り寄ってくる、
可愛いと思っている女を遠ざけることが出来る男を俺は知らない。
「豪ぉ。なでて」
よしよし。なんて髪をなで
さらに擦り寄ってくるシンデレラを膝の上に抱え上げる。
髪をなでているうちにウトウトしだした女を抱え上げ
「ほら。布団に行くぞ」なんて言えば
ぎゅっと首筋にしがみついて
「一緒に寝る」
なんて言い出した。
「ダメ」
「なんで?」
「手を出さない自信がないから」
笑いながらそんなことを言えば
「誘ってるんだけど。女にこれ以上言わせないでよ」
そう言いながらさらにしがみついてきた。
そんな女が可愛くて。
でも酔っている女に手を出すなんて卑怯な真似はしたくなくて。
それでも・・・・
この女をそばに置いておきたくて。
俺の布団に寝かせた。
「ここ、豪の布団?」
「あぁ」
「ん」
そう言うと満足そうに寝入った女を
1度だけギュッと抱きしめると
そのまま髪をなでた。
そんなことをしているうちに
いつの間にか、俺も寝ていた。