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たそがれドライバー
【その他 官能小説】

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たそがれドライバー-7

「おい、何してる?私に何したんだ?」
「貴様が悪いんだ。文子に近付くんじゃねぇ」
その男は泣いていた。
「おまえ だ  れ だ」
アスファルトに里山の血が滴り落ちていく。歩道からどよめきが沸く。
「文子の元夫だよ。俺は夫なの。元でも夫なの。あの女に触れられるのは俺だけ。おまえに触る権利なし」
「き さ  ま  こ ん な こ と して」
「いいか、二度と文子に近付くな。わかったな?俺の女だ。永遠に俺の女だ」
そう言うと男はそばに止めてあったセダンに乗り込み急発進して行った。
「お い    お   い」
里山は倒れ込んだ。
「大丈夫ですか?」
かけつけたサラリーマンに抱きかかえられたが、里山は路面に落ちていく。
「誰か、救急車」

深い眠りから覚めたように目を開けると天井が動いていた。ベッドに載せられどうやら手術室に向かっているらしい。何も聞こえなかった。そばにいる人も見覚えがない。きっと救急車に乗ってくれた人なのだろう。このまま死ぬだろうか。娘の顔が思い浮かんだが、元妻の顔は思い出せなかった。元妻の代わりに峰文子が手を振っている。天井の模様が段々消えていき、白一色になっていく・・・。

今回の事件の結果、岩城が度々の早退をしていたことが発覚した上、馬井製菓の沢尻エリカ似の沢田絵梨子を未成年にもかかわらず妊娠させ、沢田家の両親から訴えられたためベストクリニックは岩城を懲戒免職。峰文子の元夫は殺人罪で逮捕されたため、親権剥奪で峰文子が娘と暮らすことになった。


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