由美子の母孝行-5
6.
耀子は、由美子の部屋からかすかに漏れてくる、夜具の擦れる音に耳をそばだてていた。
(いよいよだわ)
承知していることとはいえ、いざとなると胸は穏やかではいられない。
ぼそぼそと、由美子と博の交わす声が聞こえてくる。
博の声は低くて、くぐもって何を言っているのか分からない。
由美子の声は張りがあるので、透き通るように襖を通って聞こえてくる。
「気持ちいいわ」
(あたしも、昔はあんなことを言ってたんだ)
(お父さんの指業は、よかったねえ。入れる前から、すっかり好い気持ちになっちまったもんだ)
耀子はそっと自分の胸を探ってみる。
(思ったより、しっかりしているわ)
乳首を摘まんでみる。指の間で、乳首がぷくっと固くなった。
(あらやだ、まだ感じるわ)
耀子は目をつぶると、そのまま乳首を愛撫し続けた。
由美子の部屋からは、ぼそぼそと言うう声に混じってため息や、あえぐ声が漏れてくる。
耀子の指はいつのまにか股間に伸びていた。
乳首の刺激で、お小根がむっくりと尾根を固くしている。中指の腹で擦ると、ピッと小根頭がうずく。
(しばらくぶりに楽しんでみようかしら)
夫を亡くした後しばらくは、孤閨の寂しさに一人で慰める癖がついたが、娘が成長するにつれ忙しさに紛れていた。
耀子はそっと寝床を抜け出すと、キッチンに入った。戸棚を開けるとオリーブオイルのビンを取り出す。ふたを取ると、ビンを傾け指先をオイルで浸す。寝間着の前をはだけると前かがみになり、割れ目にオイルを塗り付ける。
耀子の夫婦生活は夫の死ぬまで続いたが、年とともに分泌液が乏しくなり、耀子はオリーブオイルを使うことを思い付いた。薬用クリームやゼリーのように、かぶれや副作用を心配することも無く、いつでも手軽に使えて、滝はうまいことに気が付いたと満足していた。
(こんな気分になるのは、久しぶりだねえ、お父さん)
部屋に戻ると、耀子は布団を引きずって、枕元を由美子の襖にに近づけた。
博と由美子の息遣いや上ずった声が、すぐ耳元に聞こえる。
布団の温もりが戻ると、耀子は右手で乳首を押さえ、左手の指を割れ目に当てた。