〈狂宴・後編〉-4
『なあんだ……もうへたばっちゃうの？妹を姦した奴に糞虫呼ばわりされて、悔しくないんだ？……ねえ、悔しくないのかって聞いてんだよぉ！』
「ぎひぃぃぃッ!!」
タムルは両手で景子の前髪を掴むと、その背中が弓なりになるまでに引っ張り、その苦悶に叫ぶ顔を覗き見た。
汗と涙でメイクは全て流れ落とされ、なんの飾りっ気も無い素の景子の怒り狂った形相が、タムルの瞳に逆さまに映っていた。
自身への凌辱にも精神は崩れず、妹への集団暴行の光景を見せ付けられても自分を見失わない気高き姉の姿は、壮烈と呼んでも何ら可笑しくは無かった。
「……こ…殺す……殺してやる……」
優愛と足を絡めるようにして、景子はグニャリと身体を歪めて腰を落としている……例え姉妹を繋ぐ縄を解いたとしても、もう景子にはタムルと戦えるだけの体力はあるまい……それでも睨み付ける眼光の鋭さと、その威圧感は圧倒的と呼べるものであったし、しかしながら、消え落ちる直前に燃え上がる蝋燭の炎のような、儚さを秘めた強さでもある……。
『………生意気な糞虫ねぇ……ウフフフ……』
タムルは立ち上がって後ろに下がると、今度は優愛の髪を掴んで顔を上げさせ、じっくりと眺めた。
美穂と同じように集団に暴行を加えられ、輪姦されてしまった事に意識は飛んでいるようで、子宮に溜まる精液の蠢きに呆然とした眼球は痙攣を起こし、白眼を剥いた目尻はピクピクと引き攣りを起こしていた。
『……あ〜あ、汚い顔……』
タムルは、射精を終えて萎れてしまった肉棒を優愛の口に入れると、付着した清純の証を擦り付けるようにグイグイと股間を押し付け、顔面を下腹部に引き付けた。
「まだ優愛にぃッ!?こ、この野郎!!」
またしても優愛を玩具にするタムルに牙を剥き、必死に身体を捻って怒声をあげるも、頭皮が見える程に強く髪を握った拳が緩むでも無く、優愛は肉棒で呼吸を妨げられて、苦しそうに呻いて哀しく藻掻くのみだ。
『……全く煩いわぁ……コイツのせいで、私の大事なおチ〇チンに汚い血が着いちゃったんじゃない……舐めて綺麗にするのがコイツの“責任”でしょ？』
あの、なよなよした女性的な言葉回しはそのままだが、その声色は専務顔負けの怒気の籠った響きを含み始めた……その表情すらも険しいものへと変わっており、その眼光は、景子の眼力を上回る程だ……無論、景子がソレに気圧される訳は無かったし、妹を苦しみから解放させようと必死に身体を捩って叫んだ。