ハッピー ファンキー ハロウィン-9
「クリスマスにはもっと早い時間にお邪魔するぜ。再戦では、もっとたっぷりとパーティーをしような」
くたくたになって言葉も返せないユキの首筋に顔を寄せ、くっきりとしたキスマークを付けてから、ボスは部屋を後にした。……と思ったら、ドアの陰から顔を突き出した。
「言い忘れたが奥さん。ベッドシーツはあんたが後で交換してくれよ。奥さんと俺たちが出した愛液や精液で、あちこち盛大なシミが出来てるからな」
そうしてボスは外に出て、6人の仲間たちとともに去っていった。
「Trick or Treat or Tadpole ?」
遠ざかりながら彼等は、独特なハロウィンのセリフを繰り返していた。
その声を遠く聞きながら、ユキは枕元に何かが置かれていることに気づいた。見ると、ハロウィンカードだった。ジャックランタンの絵があるカードを取り上げ、開いてみると5,000円札が一枚挟んであり、メッセージ欄には「冷蔵庫から勝手に取って飲み食いしてゴメンね。5,000円で足りる?」と書かれてあった。
「あたしを犯したことは謝らないの?」
と、ユキはつぶやいたが、変なところが律儀な彼等に、彼女は何だか可笑しくなってきて、小さく笑い声を上げた。
(おわり)