園-6
もう疲れていると思っていた身体は
お風呂に入ってさらに疲れが出た。
い、一歩も動きたくない。
自分の部屋で畳んである布団を敷き、
その上にごろんとなったら
いつの間にか寝てしまったようだ。
「シンデレラ、おい。起きろ」
そんな風に優しく肩をたたかれ
ふと目を覚ますと目の前に片桐さんがいた。
「あ。片桐さん」
「眠いのは分かるけど。食べないと身体が持たない」
「夕飯はいりません。このまま寝ます」
「ダメだ」
そう言うと片桐さんはフッと私をお姫様だっこして部屋を出た。
「ちょ、ちょっと!」
「今日は良く働いたから、特別に運んでやる」
「良いですよ」
「暴れるな。落とすぞ」
そう冗談を言いながらも落とさないように
ぎゅっと抱きあげてくれている、その身体の筋肉が
ほほに当たる。
全く危なげなく私を抱き上げる、その身体にビックリ。
あっという間に居間に着いて
ちょこんと昨日から私の席になったトコロに座らされた。
「好きなもんだけでいいから」
それはきっと、片桐さんが作った野菜なんだろう。
薄味で、野菜の味を生かした簡単な料理だったけど
毎日毎日、今日みたいに全てを手作業で作った野菜は
本当に可愛く思えた。