園-3
見て行くうちに新芽が食べられているカブを見つけて
片桐さんを呼んだ。
「ありました!」
「よし!」
片桐さんは楊枝で上手く退治をする。
その素早さに感心した。
ずっとしゃがんで虫を見ていたら腰が痛くなる。
もう無理…と思う頃やっと虫パトロールが終わった。
「横手さん。今日はこっちの畑を整地するよ」
「はぁぁ〜い」
休む間もなく今度は違うゾーンに連れて行かれ
何も植わっていない土地を2人で耕した。
「き、機械は使わないんですかっ?」
「機械を使わなきゃいけない大きさにはしてない」
十分、機械を使わなきゃいけない大きさだよ・・・
「ただ耕すだけじゃない。
良いか?畑の中にいる虫を見つけるんだ」
また虫ぃ?
「白い、これ。カブトムシの幼虫みたいな形のこれな。
カナブンの幼虫だから。根っこを食べるから見つけたら全部殺して」
片桐さんはぶちっと長靴で踏みつぶした。
げ!あれを私にやれって?
「かわいそうとか、気持ち悪いとか、いい加減なことは言うなよ?
無農薬だから、虫がいるんだ。無農薬って言うのはそう言うことだ」
もう・・・
見つけてやろうじゃないの!
私は次々と見つけてはぶちっと長靴で踏みつぶした。