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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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野菜や魚がグツグツと、鍋の上で煮込まられ、居間の室温も暖かく、父と母とで箸が進み

「それじゃー絆クン、近日退院するんだ。」
「うん!元気になって、学校に復帰して。」
「……。」

隣で母と会話が弾み、それをじっと向かいで見つめる父。

「それと、言われたんだ…、「結婚しよう」って…。」
「まぁ。」

今、とっても大事なワードを両親に申した。

「その、いいかな、結婚…しても。」
「………良いよ、貴女が決めた事なら、私は信じる…、何時か言い出すと思って、母さん考えてたんだから。」
「お母さん…。」

理解ある母に、相も変わらず嬉しい…。けど問題の父は。

「まぁ、良いんじゃないか…、親がいちいち反対するもんじゃないし。」
「お父さん!?」
「まっ、個人的には反対だな、あんなもやしみたいな奴。」
「フン!誰がもやしだ、退院したらそんなひ弱じゃなくなるよ、持病も治って思いっきり体力作りをすれば。」
「そんな都合よく行くかねぇー。」
「何よー賛成なんでしょー。結婚しても、仲良くやってよねー。」
「それはどうかなー、たっぷりいびり倒してやろうかなー。」
「ちょっとー、本気でやったら……殺すよ?。」
「分かった!怖いからマジで。仕方がないだろー、手塩にかけた愛娘が幸せになるか不幸になるか、相手に掛かってるんだからよー。」
「まぁ、その事に関してはお母さんも同感ね。」
「ほぇ?」

父との口喧嘩勃発かと思えば、不意に母の裏切り。

「大丈夫よ二人とも、彼はとっても良い人だって、そりゃー若干頼りない所はあるが、とっても優しいし、彼と居るととっても楽しいし。」
「だから反対はしてないよって、お母さんだって、彼の事は良く知ってるし。」
「……ただまぁ、上手く行くのか?手術。」
「えっ?」
「アイツはこれまでことごとく持病に苦しめられたんだろ?そんな重たい病気がそんな簡単に治るのだろうか?」

一瞬父が何を言っているのか解らなかった…、本当に治るのか?そんなの、治るに決まってる!あの臓器は治療薬と担当医の方も仰っていた、何より彼は今までずっとずぅーと病に苦しめられたんだ、もう解放されても良い筈。

臓器を譲ってもらえると聞いて一気に舞い上がり、良い方良い方にしか考えていなかった
都合の悪い現実は一切見向きもせず。

そりゃー医療の事に関しては全くの素人、臓器を提供して貰ったからって、それで確実に完治する訳ではない。絆が担当医から聞いた話でも、そんな現実を聞いた、坂本さんから頂いた臓器も保管しといたとは言え、今まで拒んですぐに彼に使ってあげなかったせいで
若干古くなって、つまり治療薬としての効力が薄くなったとか。

耳に入ってはいたものの、軽く受け流していた。

手術が上手く行かない?……もしそうなれば彼は死ぬの?いや手術して命を取られるような事では、ただ病が取り除けないダケ。

でも、そうなればまた振出、次の適合者何て早々見つからない、つまりこの手術がラストチャンスと言っても過言ではない。

父に指摘された無情な事実、絆はもう長くない、これが失敗したら、もう後がない、残り少ない時間で、砂漠から砂金を探す何て、考えるだけでもめまいがしそうだ。

今頃手術が終わり、眠っている絆。明日には当然病院へ向かう。手術は成功したのか否か

私は、深く眠れぬ一夜を過ごした。




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