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愛しているから
【青春 恋愛小説】

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災い転じてまた災い!?-5

突然笑われて訳がわからなくなった俺は、目を丸くしたまま固まってしまった。


な、何だ……?


気付けばマッチョだけじゃなく、坊主もタトゥーも盛大に笑っている。


それをただただ見つめるだけの俺に、マッチョが笑いながら俺の肩をポンポン叩いてきた。


「いや、君面白いね」


「は?」


「この娘の彼氏ってさ、冗談だろ」


「はあああ!? なんでだよ!!」


これには俺も、カチンときた。


学校内では公認のカップルだし、石澤さんや本間さんにもしょっちゅう“お似合いカップル”なんて冷やかされているし。


それが、どうして沙織の彼氏と言って笑われなければいけねえんだよ!


「だって、似合わないもん」


「に、似合わ……!?」


言葉に詰まった俺の元に、残りの坊主と、沙織の腕を掴んだままのタトゥーが駆け寄ってきた。


「そうそう、こーんな可愛い娘に、君みたいなヒョロヒョロもやしが彼氏だなんて不釣り合いもいいとこ」


「みえみえの嘘ついてんじゃねえよ」


捲し立てるように、俺を貶める言葉を投げつけてくる奴ら。


不釣り合いとか、嘘とか、そんなの夢にも思わなかった俺は、すっかりさっきまでの勇姿はどこにもなく、小さくなった自分がいた。


やべえ、泣きたくなってきた。


下唇を噛んで俯いていると、今まで黙っていた沙織が、


「あの、あたし……、ホントに彼と付き合ってるんです!」


と大きな声を出した。


そうやって沙織が必死に男らに訴えかければ訴えかけるほど、自分が惨めになっていく。


助けに行ったつもりの沙織に助け船を出されてしまった俺。


なんだよ、俺、メチャクチャダセェじゃん。






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