よみがえりの木-1
「メイ! ありがとう、忙しいのに」
「ううん、美奈も連絡ありがとね。こんなことでもないと、なかなか帰るようにならなくて」
地元に帰ってきたのは、何年ぶりだろう。
大原美奈の懐かしい笑顔を見ながら、月野メイは地元を離れてからの年月に思いを馳せた。
高校卒業と同時に県外へ出て、もう十年になる。
大学生の頃は、まだ頻繁に帰省していたけれど、就職してからはよほどのことがないと時間がとれなくなった。
最後にこっちに戻ってきたのは、三年前、二十五歳の年。
野乃塚蘭の、結婚騒動のときだった。
「それで、蘭の様子が変って、どういうこと? やっぱり、あのことが原因?」
「うん……ずっと気にはしていたんだけどね。わたしもいろいろ忙しくて、しばらく会えなかった間に……」
速足で歩きながら、美奈が深いため息をついた。