投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

よみがえりの木
【ホラー その他小説】

よみがえりの木の最初へ よみがえりの木 1 よみがえりの木 3 よみがえりの木の最後へ

よみがえりの木-2

メイと美奈、そして蘭は、幼稚園から高校までずっと同じところに通い、家も近所同士の仲良し三人組みだった。
 美奈は、勉強も運動も学年の中で常にトップ、美人でいつもシャキシャキしていて、みんなのお姉さん的な存在。
 蘭は、勉強も運動もまるでダメだったが、お嬢様育ちの品の良さと、可愛らしい容姿が幸いして、みんなに好かれていた。
 メイは成績も容姿も常に中の上、実家はさほど裕福でもないが、貧しくもない。
平凡を絵にかいたような存在だと、自分でも思う。
 タイプの違う三人だったが、かえってそれが良かったのか、大きな喧嘩をすることもないまま大人になった。
 
『三人の中で、一番結婚が早いのは、きっと蘭ちゃんだよね』
 子供の頃からの予想通り、蘭は二十四歳のときに見合いをし、その相手と翌年に結婚が決まっていた。
 当時、まだメイにも美奈にも、結婚を意識するような相手はおらず、新妻となる蘭をふたりでさんざん冷やかしたものだ。
 ところが。

 あと一ケ月で結婚式、という時期。
新郎となるはずだった男、高原和輝が、突然姿を消したのだ。
 住んでいたマンションの荷物も、順調だった仕事も、すべてを放置して。
 彼自身の両親、そして、婚約者である蘭、その家族や友人も手を尽くして探した。

 だが、あれから三年が過ぎたいまでも、彼の行方はわかっていない。


よみがえりの木の最初へ よみがえりの木 1 よみがえりの木 3 よみがえりの木の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前