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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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一筋の光-3

「………。」
「杏……。」
「杏ちゃーん。」
「何よっ!」

不機嫌な彼女、ツカツカと病院へ向かう。

「落ち着きなよ。」
「バカッ!これが落ち着いてられっかよっ!目の前に救える命があるのに、臓器は渡さない?娘と離れ離れになるから?意味わかんねーよ!何を考えてるの?娘サンだって提供する事を何より願ってるのに、どうかしてるよっ!」

ありったけにさっきの事を、愚痴る杏。

「強制ではない、でもあれじゃー見殺しも同然!」
「杏…。」
「もし、このまま他に適合者が見つからず絆が死んだら…、訴えてやる!殺人罪でも…、
それでもし敗訴したら、私は、私は……この手で!」
「だから落ち着けって言ってんだろっ!!」

興奮して、顔がみるみる暗く目を赤く染めだした彼女に一喝する。

「だって…だって、死ぬんだよ?解ってる?適合者何て滅多に見つからないんでしょ?これを逃したら今後見つからない、きっと。そしたら絆、死んじゃうんだよ?。」
「杏……。」

僕が急に怒鳴り出して泣き出す、いや、僕の為に絶望してる。

「絆は嫌じゃないの?死ぬんだよ?」
「勿論嫌だよっ!大好きな君の笑顔を、ずっと見ていたい!」
「だったら…。」
「奇跡を信じよう、嘘偽りのない強い想いは必ず叶う…、そう言ったのは君でしょ?」
「……。」

未だ、泣き止まない彼女、何時になってもこの顔は嫌だな。

僕は、そんな弱弱しい彼女の体を優しく抱き締める。すると次第に泣き止む杏。

「……落ちついたかい?」
「……暖かい。」
「うん?」

僕の顔を見上げる杏、それはまるで大雨が過ぎた後の銀色に輝く晴れ晴れしい外のように瞳を輝かす。

「さて!戻ろっか?」
「うんっ!」
「!?」

バッタのように、僕の腕にしがみ付く彼女。僕はそんな彼女の手の甲にゆっくりと手の平を乗せる。

「寒くない?」
「うん!だって絆の体、暖かいんだもん!」

そうだ、僕ってば何ボサーっとしてんだ。僕は死ぬんだぞ?そしたら杏は一生苦しむ、そりゃー僕の事を忘れ、幸せに生きようと頑張るだろう、だけどそれで、心の痛みが消える訳じゃない、心が楽になるのは一時だけ、誰がどう励ましたってこの悲しみは消えない、永遠に。

子供のように無邪気な笑顔を僕に見せる彼女。

この笑顔を、一生護って行かなければ……。


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