けっこういい体してるな-1
「んん、ここは……みんなは?」
「あたしの部屋。みんなはリビングで寝ちゃってるけど騒ぐと起きるかもな」
桂太は気がつくとベットで全裸で寝かされていて、隣には下着姿の織田真理が添い寝するように寝そべって微笑していた。
「みんなには内緒だぞっ」
そう言うと真理が上からキスをしてきた。
舌を入れてきて絡めようとしてくる。
桂太は拒むふりをする。
すると織田真理の手は桂太の体を撫でまわしてきた。
キスを続けたまま。
「んぅっ、んっ、んっ……」
目を閉じて桂太の唇を貪る真理は艶かしい。
普段が男っぽい雰囲気だけにギャップがある。
真理は手さぐりで、桂太の勃起しているものを甘えるように撫でる。
桂太は腰が動きそうになるのを我慢する。
ようやく唇を離した真理は、自分からブラジャーを外した。
「あたしを気持ちよくして……」
桂太は普段の声とはちがう甘えた真理の声にうながされて、手をのばした。
「もっと激しく揉んで……んっ、はぁんっ、あぁっ」
桂太は張りのある真理の乳房をわしづかみにすると、ぎゅむぎゅむとテンポよく揉みしだいた。
「肩を揉んでもらったり、背中を押してもらったり、腕をマッサージしてもらったとき、本当はこうやってめちゃめちゃにやらしいことしてほしかった」
桂太もマッサージしながら、頭の中で真理の乳房を揉んだりしている自分をひそかに妄想していた。
今度は桂太がキスをして、舌を入れると真理はねっとりと舌を絡めてきた。
「んっ、ちゅっ、んくっ、んふっ、んっ……ふあっ、はぁ、はぁ……」
興奮してきた織田真理は桂太に抱きついて耳を甘噛みして、首すじに唇を這わせてきた。
薄暗い部屋で体を密着させて、お互いの体を求めあううちに真理の肌は火照り、しっとりと汗ばむ。
桂太がパンティを脱がそうとすると、真理はその手をつかんで止めた。
「……悪い、コンドーム買ってないから入れさせてやれないんだ」
「わかりました。このまま気持ちよくしてあげます」
桂太は下着の薄い布地の上から真理の恥丘のわれめを形をなぞるように撫でまわした。
布地が湿ってくるまで指先を這わしながら、またキス
をしていると真理が喘ぎながらしがみついてくる。
「んっ、あぁっ、そこは……んっ、ふぐっ、んんっ」
「んっ、ちゅっ……ここがいいんですね」
「あっ、ああぁっ、んっ、あぁっ!」
桂太の指先がわれめを揉みほぐして、敏感なクリトリスを布地の上から弄りまわしているうちに真理の体がびくっびくっ、と小刻みに震えた。
「……けっこういい体してるな」
高校生の頃は運動部で体を鍛えたことを話すと、真理は自分が剣道部だったことを話してくれた。
「今度はコンドーム買ってきておいてもらうからしような。出したくなったらいつでも出していいから」
桂太のペニスを上下にやんわりと握り扱いてくる。
「織田さん、あぁっ、んあっ、俺、いきそうです」
「ふふっ、出していいよ」
桂太が腰をくねらせて、身悶えている。
「あっ、出た!」
どぴゅっ、どびゅっ、どひゅっ!
桂太が射精して、息を乱してじっとしている間、ペニスを真理は撫でていた。
桂太は真理のパンティを脱がさず、真理の全身を愛撫してから、恥丘に顔を埋めた。
愛液で濡れたパンティの布地をずらすと、われめをじかに舐めまわした。
「んあぁっ、そこを舐めたら、またイクッ、気持ちいいっ、あぁっ、はぅっぅぅっ!!」
真理がまた絶頂した。
脱力した真理の絶頂の余韻か落ち着くまで、桂太を真理は抱きついて離さなかった。
「俺、部屋に帰ります」
「そうか、わかった。なぁ……んっ」
真理とキスをしてから、明け方になって桂太は部屋に戻った。
桂太は少し仮眠してから、歓迎会の片づけをした。
窓を少し開け、部屋の空気を入れかえてから、ゴミ出しもすまして部屋が片づいた頃に、まりあが自分で起きてきた。
「あ、山崎くん、おはよう」
まりあは着ぐるみのようなふわふわした部屋着を着ていて、かわいらしい感じである。
冷蔵庫から水のペットボトルからマグカップに入れると、リビングのソファーに腰を下ろして、ぼーっとしていた。
しばらくすると窓の外を見つめて、両手でマグカップを持ち、こくこくこくと小さく喉を鳴らして水を飲んでいた。
「すずめ、かわいい」とつぶやく。まりあはまるで猫のようだと桂太は思った。
「朝ごはん食べますか?」
「スクランブルエッグだけ食べたいなぁ」
「はい、お嬢様。かしこまりました」
まりあがくすくすと笑って、フライパンを持った桂太を見つめていた。
「あっ、きれいな色だね。んー、いいにおい」
「どうぞ、めしあがれ」
「いただきまーす」
スプーンですくってもぐもぐと笑顔でまりあが食べている。少しだけ砂糖とミルクを入れて、よくかき回したとき卵を、焦がさないように手早く焼いたスクランブルエッグがまりあの好みである。
「朝日のさしこんだ光の感じとか、スクランブルエッグの明るい黄色とか、なんかいいよねー」
まりあはパソコンで原稿をフルカラーに着色したり、ポスターカラーやコピック、カラーインクなども器用に使いこなす。線画は見よう見まねで筆圧や勢いを気をつければなんとかそれらしくなるが、表紙などのカラー原稿の仕上げは難しい。
華奢でゴスロリのような衣装のまりあが仕事している姿は、まさにアニメの魔法少女ものに登場するヒロインの変身後のような雰囲気である。
「山崎くんって、おかあさん系男子だよねー」
「おかあさん、ですか?」
「そうそう、朝ですよーって起こしにくるし、ごはんも作ってくれるし……」
「お嬢様、おやつは何がよろしいですか?」
「エクレア」
「かしこまりました」
二人で笑っていると、織田真理が起きてきた。
桂太に「おかあさん系男子、おはよう」と言って軽く肩をぽんと叩いた。
いつものジャージ姿だが、ちょっとはにかんだような表情の笑顔で。