再会-3
地元の病院で、お見舞いに来た時と構図が似た病室が目につく。最初は部屋を間違えたかと思ったが、見慣れた画材道具が棚に置かれているのを見て、態々ネームプレートを確認するまでもなく。
ダガ、その持ち主は部屋に居ない、リハビリでもしてるのか、いやそんな事をするような病気ではない。では先生とお話中?もしくは散歩か。
軽い推理をし、私は取り合えず待ってみる事に……。
絆を追って一人、慣れない遠出をする私。彼はどう思っているんだろうか?突然二度と会う事もなかった人物と再会したら……。
彼は、私に何も告げてくれなかった。でも今は違う、東堂クン達から全て聞いた。もはや何も知らないのは絆の方かもしれない。
…。
……。
プカプカと泳ぐ白い雲を、ぼんやりと眺める。そんなこんなで時計の太い針がここに入った時から一つ上回り。
遅い!幾ら何でも遅すぎる。トイレでこんな時間は掛からない、先生と話してるにしても長い、散歩にしたって…。
一体どうしたと言うんだ…、絆は確かにこの病院に居るのは間違いない筈。
私は少し頭を捻らし、そして。
まさか…
女のカンが、冴えだす。