淫乱自覚-1
それから1年間、奈緒は田宮に調教された。鞭打ちの1撃1撃に愛を感じるようになってしまった奈緒。もはや田宮の折檻に悦びを覚えてしまった。
そんなある日だった。
「私は本日づけで当支店より福岡支店への転属が決まりました。みんな今までありがとう。あちらでは支店長を務める事になっている。ここは優秀なスタッフが揃っている。後任は松上奈緒君が就任する。」
「えっ…?」
転属も部長就任も全く聞いていなかった奈緒は呆然とするばかりだった。気持ちの整理も何もつかない。戸惑うばかりの奈緒だった。
「これからは女性にもどんどん管理職をこなして欲しいと願っている。松上君にはその先駆者となり頑張って欲しい。以上だ。」
挨拶を終えると田宮は奈緒に別れの言葉をかける事もせずに去って行った。後を追いかけたかった奈緒たが勤務中だ。どうしようもなかった。
マンションに帰り田宮の部屋を訪れてみたがもう居ないようだ。この1週間、部屋での行為はなかった。その間に荷物をまとめていたのだろう。携帯番号も既に変わっていた。連絡をとる事すら出来なくなった寂しさが奈緒を襲う。
「田宮さん…、最後のお仕置きは放置プレイですか…?」
無意識にそう呟いていた奈緒。その言葉に奈緒がもはや品のない女へと変わっていた事は言うまでもなかった。
部長職として仕事の量は増えた。女子行員のみならず部下全ての面倒を見なければならない。奈緒は勤務中、性欲を感じている暇もないほどに忙しくなった。
新たな社員も入ってきた。男子行員は梨田らが転勤になった事で長くこの支店に勤めている行員がいなくなり奈緒にかかる負担も大きくなった。支店長、課長も入れかわった。もはやこの支店の全てを把握しているのは奈緒になった。支店長からも大きな信頼を寄せられ忙しい毎日を過ごしていた。