淫乱自覚-3
安本翔太はほぼ毎日残業していた。ミスも多く、それに加えてうまく押し付けられる仕事がたくさんあった。京子や尚美はわざとミスするように仕向けていたりもする。気弱な翔太は大人しく全てを請け負い毎日残業していた。
「こう毎日付き合わされるとたまんないよ…。」
規則的に一人での残業は認められていない。大抵上司の井上課長が責任者として居のこっていた。しかし毎日毎日付き合わされ帰りが遅くなるのが苦しくなってきた。
「じゃあ私も加わります。今日は早く上がって下さい。」
「いやでも女性一人と男性を一人を残すのは危ないですよ。」
「平気ですよ。あの安本君だし。それに課長以上の場合就業規則に時間外の責任者として女性はいけないとは書いてませんので。まぁ女性が課長以上になる事は想定して書かれてませんからね。気にしないで上がってください。」
「確かに安本なら大丈夫か…。では申し訳ありませんがお願いできますか?」
「はい。お疲れさまでした。」
井上は帰って行った。他の行員も早々と姿を消して行った。
デスクに座る奈緒。少し離れたデスクに座り仕事をこなす翔太を見つめていた。
(見かけもダメ、仕事も出来ない…。私が見たさ中でも一番ダメな行員さんだわ。あんな人に部長である私が関係を持つなんて誰も信じないでしょうね…。)
よからぬ妄想をする奈緒。少しずつフェロモンが漏れ始めていた。
(あんな気持ちの悪い人に犯されたらどんな気分なんだろ…。)
考えただけでもおぞましい。しかしそのおぞましさが刺激的に感じてしまうのであった。