揺らぐ-7
ビクッとオルガズムに陥った。
宙吊りになって、見も知らない男たちに弄ばれてオルガズムを感じている自分を不思議なほど客観的に受け入れる自分がいた。
「今日はこのぐらいにしておきましょう。
時間になりました。」
宙吊りからゆっくりと下ろされた。
思いの他、高く吊るされていたように思う。
床に敷かれた薄いマットの上でロープはゆっくりと解きほぐされ、血の巡りを感じる。
私はある大学病院に勤務する医師だった。
患者が心細さから一種の恋愛感情にすがりつく。
それは女医であれば、よくある事例に過ぎなかった…
だが亡くなった父と同じくらいの患者に、とかく気に入られて手の甲にキスをされた時から私はしばしば院内で意識を失うようになったのだった。
緊縛から解かれた体を伸ばして、まだ荒い息をしていた私にひとりの男が声をかけた。
「目隠しを取ります。
照明は落としてありますがいきなり直視するのは避けてください。」
私は咄嗟にその手を掴んで引き止めた。
「してくれないんですかっ?」
室内が微かにざわめく。
視覚を封印されて聴覚、触覚が冴えてる事をあらためて認識する。
「長時間続けるのは危険を伴います。
現在、あなたはご自分が思われる以上に体力を消耗しております。」
しばらくしてから、また声が響く。
「構いませんっ!
大勢で私を犯してください。」
女には生涯のうちに何度かめちゃくちゃにされてしまいたい事があると思う。
私はいま、そんな気持ちが抑えられなかった。
「…今回のプログラムには含まれておりませんが、そうしたプログラムも実在します。
お試ししますか?」
しばらく間を置いてから、声がしてそう述べた。
目隠しを付けたまま、その場に座り込んだ私は最初に差しのべた男の手をとって、その肉体から探りあてたペニスを咥え込んだ。