Purple wedding-17
―――ガチャッ・・・・
―――ギィィィ・・・・
なるべく音をたてないようにしてドアノブを回して部屋に入った時、
窓辺にたって外を見つめていた“彼女”がこちらを振り返るのが視界に入った。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
背後でドアを閉めながら、無言で“彼女”と向かい合う。
カーテンの隙間から入ってくる星明かりのせいか、
“彼女”の大人びた顔立ち。
腰まで垂れ下がった艶やかな黒髪と白く光沢を帯びた肌。
肉付きの豊かさとの調和が取れた肢体。
そして足元まで垂れる紫色のスリットの薄さがいつも以上に映えるようだった。
最近はただ立って見つめあっているだけで、
“彼女”が何を望んでいるのかまで分かりはじめた。
今更ながらに自分が手にしているものの素晴らしさに感嘆の溜め息をついてしまう。
今までの女の時とは違い、不覚にも相手と見つめ合うだけで下半身が反応するのは、正直“彼”らしくない。
「・・・・・」
荒くなりそうな呼吸を沈めつつ、無言のまま“彼女”の元に歩み寄る。
一方で“彼女”は“彼”との視線を反らすことなくベットの方に移動していく。
いきおい“彼”も“彼女”に誘われる形でベットの方に誘導されていった。
“彼女”の身体から漂う独特の甘い香りが、
“彼”の興奮をいやが上にも掻き立てる。