拾われて飼われました 後編-14
マーシュは肉槍で少女の膣穴をかき混ぜるように腰を動かした。締めつけがきついのと、少女の膣壁がなぜかくすぐるようなちろちろと舐められているような絶妙な快感を与えてくるので、普通に突きまくってしまえば、あっという間に果ててしまいそうだったのだ。
「……んあぁっ、んっ、あぁっ、んんっ、あぁっ!」
少女は目を閉じたまま、眉を寄せてマーシュの腰を動きに反応して声を上げながら、ベットの敷布をぎゅっと握った。
少女の膣壁から繊毛のような触手がカタツムリが触角を出すようにうじゃうじゃと出て、小さな舌のようにマーシュの肉槍を刺激しているのだが、マーシュにはわからない。
マーシュは果てそうになるのを汗だくになりながら堪えて、ゆっくりと腰を動かした。
少女が腰をくねらせるたびに、狭い膣内で肉槍に快感の波が襲ってくる。
マーシュは快感の波にのみ込まれそうになると、腰を自分から動かすのを中断しなければならなかった。
少女の両脚を肩から降ろして、根元まで深く沈めたまま、華奢な少女の体に抱きついて密着させた。
少女の体は柔肌の部分はしっとりと汗ばみ火照っているのに、鱗におおわれた部分はひやりと冷たい。
肉槍に与えられる刺激が二人で体を密着させてじっとしているのに、さらに激しくなっていく。
繊毛触手の動きは激しくなり、くちゅっぬちゅっと動かしていないのに小さな音がする。
マーシュはが我慢しきれなくなり、がむしゃらに突き上げを開始した。
「きゃぅっぅぅっっ!!!」
少女が快感に身を震わせながら声を上げた。マーシュは背筋から脳天に向かって激しい絶頂感を感じて目の前が真っ白になる。
どびゅっ、どぴゅっ、どくっどくっどくっ!
鼓動に合わせて精液が搾り取られて、繊毛触手に扱き上げられる、
マーシュは少女にしがみつかれて、絶頂の呻きをもらしていた。一度射精したあとも萎えきっていない肉槍が刺激されて、少女の膣内ですぐに勃起させられる。
人の女性では味わえない悦楽にマーシュはもう夢中で少女の膣奥に叩きつけるように、荒々しくピストン運動を繰り返し、少女の小ぶりな乳房が揺れた。
マーシュは口元からよだれを垂れ流し、恍惚とした表情で快感に酔いしれた。
少女もマーシュの肉槍が脈打ちながら射精すると、誘発されたように絶頂してしまう。
マーシュが力尽きて少女の体にかぶさったまま、衰弱しきって気絶してしまい動かなくなった頃には、少女もぐったりと脱力しきっていた。
マーシュの射精した精液は、繊毛触手から全て吸収されていた。
萎えたマーシュの性器が吐き出されるように、ずるりと膣内から抜け落ちた。
少女が疲れきって眠りに落ち、真夜中に目をさますとすでにマーシュは息絶えていた。
少女はマーシュの冷たくなった手にふれて、頬をすりよせて泣いた。欲情してしまうまでは優しく微笑み、髪を撫でてくれたマーシュの手が好きだった。
細くて頼りない自分の手とはちがう、マーシュの手のぬくもりはもうなかった。
マーシュは飲まず食わずで少女の体を求めて続け、精液を放つたびに生気を失った。
理性を失いつつ欲望に身をゆだね、急激に衰弱して死んだ。
ランズベルの村長が数日、家から出てくるのを見ていない。体調でも崩しているのではないかと心配して村人がマーシュの家に行ってみるとベットの上に村長の遺体があった。
少女はランズベルの村から姿を消していた。
背中と脇腹が鱗におおわれた少女の失踪。
および村長マーシュの変死について、派遣した聖騎士からの報告をルシャードは受けていた。
ダンウィッチにあたる位置の皇子アルフェスがさやかを見つけたヨグ=ソトースの領域の森へ、村から裸足のまま逃げ出した蛇人の少女は一人でとぼとぼと肩を落として歩いて向かっていた。
ガルシーダのほうが距離が近いのだが、ディルバスが焼却されてアトラク=ナクアの世界渡りの魔法陣は消え去っていた。
ただ求められるままに、マーシュから生気を奪取してしまった少女はその方角に行けば何かあると直感的に感じていた。
飲まず食わずで空腹や喉の渇きを感じていた。
だが、少女は歩き続けた。
ヨグ=ソトースはこの少女を導こうとしていた。
九歳のランドルフ・カーターはアーカムにある「蛇の巣」と呼ばれる洞窟でこの少女と出会うことになる。
ランドルフ・カーターはボストン在住の神秘学者にして東洋学者兼数学者。第一次世界大戦ではフランス外人部隊に所属するが、1916年に重傷を負っている。
現実世界から脱出して夢の中へ行きたがっていた。
九歳のランドルフ・カーターは、少女と銀の鍵を使い一度は少女と世界の狭間を渡った。のちに、ランドルフ・カーターは神々に直訴するため全ての願いを叶えるという地である偉大なるカダスへ、銀の鍵を使い旅立ち、苦難を乗り越えてカダスに到着したが、そこにいにしえの神々はもういなかった。
カーターはもう神々に頼り世界を変えようとは望まなかった。ニャルラトホテプはカーターの作った夢の世界に神々が渡り戻ってこないので連れ戻してくれ、とカーターに頼んだ。
夢の世界へ渡る途中、万物の王アザトースの化身がいる混沌の中心である宇宙の深淵に落とされた。
カーターが消滅する前にもう一度、初恋の少女に会いたいとカーターは望んだ。
銀の義手を持つ神ノーデンスによってカーターは世界を渡った。
そこは幼年期の故郷であるニューイングランドそっくりな、カーターの記憶から作られた世界であった。
カーターは「蛇の巣」と呼ばれている洞窟で初恋の少女と再会した。
カーターは少女がいる世界を守るために、偉大なるカダスに神々を封じるニャルラトホテプとの契約に従い世界を渡り歩くことになる。
またバルディス大陸の世界でニャルラトホテプの触手「神と悪魔の手」を持つ皇子とアトラク=ナクアに選ばれたさやかの物語は続く。
ニャルラトホテプは千の貌を持つと伝えられている。
そして、あなたが想像した世界は存在する。