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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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逢いたい!-4

「無理よ!彼に会う……何て。」

生い茂った樹木のせいで公園の辺りの闇は厚く濃く見える。

放課後、深刻な面もちな菫が、「ちょっと話がある、公園に一緒に来て。」と、誘い。

そして目的地に足を踏み入れるや否や突然「彼と会ったら?」と。菫の言う彼とは当然、絆を指しており。

やっぱり、菫は全てを知っている、その上で私にそんな事を。

絆と会え、何て簡単に言わないで欲しい。私だって会いたい、でもそんな事をすればきっと彼は苦しみ追いつめられる。

そんな想いを、菫にぶつけると。

「アンタは、それで良いの?」
「だって、彼が苦しむんだよ?だったら。」
「その苦しむ、って言うのは具体的にどういう事よ。」
「それは、解らない、でもっ!会ったらきっと…、転院を黙って、他の人にも口止めする
何て、会わないで、って言ってるような物でしょ?」
「確かに、私は彼と会ったわ偶然。そして言ったわ、「僕はいつか死ぬ、そんな姿を彼女に見せたくない」って。」
「!!」

そうか、そういう事何だ。私バカだ、そんな簡単な事に気付かない何て。

故に自分を死んだ事にする。そうすれば私がこれ以上苦しまないで済む…と。

「彼には悪いけど、やっぱり吐かせてもらうわ。」
「菫。」

菫も色々と葛藤があったのだろう。彼の言ってる事は間違っていない、ダガそれでも私に
彼が生きていて遠い病院に居る事を告げ、会う事を勧める何て。

「杏の気持ちも解る、当然彼の事も。でも!泣いてたじゃない!」
「誰がっ、私が?泣いて何か。」
「じゃー、絵を見た時のあの寂しそうな顔は何?部室を眺め今にも泣きだしそうなあの顔は?。」
「それは……。」

言い返せない…、それでも!会ったりしたら…。

「苦しめるから、会いたいけど会わない。」
「そうだよ、それだったら。」
「なら話し合えば良いでしょっ!?」
「!?」

突然声を挙げる菫。

「……会って、そして話し合えば良いじゃない。」
「でもっ!」
「何?話そうともせず、苦しめるかも知れない。そんな憶測だけで会うのを拒否するの?
折角生きてる事が解ったのに、会うチャンスが出来たのに…。」
「…。」
「苦しめるとかどうこうじゃない、杏は怖いんだ、彼に会うのが、彼が今どうなってるのかを知るのが、自分の中で都合の良いように無意識の内に元気でやってるとイメージしてて実際に会ってそのイメージが見事に壊されるのが。これ以上期待して裏切られ傷つきたくない、それで…。」

あぁ、菫は何でもお見通しだ、でもそれに何度救われたか。

「でも、私…。」

ホントに行っても良いのだろうか?彼の元に。まだ知らない事もあるのに。無論菫が嘘を言ってる何て思っちゃいない、ダガもっと確信を持ちたい、すると。

「あ、杏お姉ちゃんに、菫お姉ちゃん。」
「いずみ、ちゃん?」

振り向くとそこに、リュックをしょった習い事帰りのいずみちゃんがいた。

彼を良く知る人物がこんなタイミングで来る、何て。神様まで私と彼を引き合わせようとしているのか。

私より先に菫が、いずみちゃんの前に歩み寄り。

「お兄サンについて、貴女も何か知ってるんでしょう?」
「!」

険しい表情で、いずみちゃんの肩を掴み、そう問いかける。いずみちゃんも鳩に豆鉄砲を喰らったような驚きの表情を浮かべ。

「わ、私は…な、何も。」
「……。」

実の妹にまで口止め、でも、それって……。

目が泳ぎ、兄との約束を守ろうとする彼女、それを察した菫は柔らかい口調で言う。

「もう、良いんだよ、貴女だってずっと我慢してきたんでしょ?でも、もう大丈夫だから
いずみちゃんがこれ以上苦しむ必要何て無いんだよ?」
「…うっ、……ううっ。」
「いずみ、ちゃん。」
「うわぁぁぁぁぁぁんっ!!」




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