夜のサービス-4
ジェルを塗り終えた海斗はひと仕事終え満足げだ。
「まぁ見てろって。そのうち消えっからよ!」
「楽しみにしてるよ。」
こんな派手な傷が治る訳がないと思いながらも、その気持ちには感謝していた。
「じゃあ寝るか。今日は色々疲れただろう。ゆっくり休め。」
「うん。」
「じゃあ布団敷いてくるわ。お前はベッドで寝ろよ。」
「えっ?一緒に寝るんじゃないの?」
海斗は若干顔を赤くしながら言った。
「お、俺は布団で寝るよ。いくら何でも一緒に寝るのは…」
「お布団準備するの面倒くさいでしょ?私はいいよ?一緒に寝ようよ。」
「む、無理だって…」
そんな海斗に瀬奈は言う。
「海斗…、セックス、しよ?」
「はっ!?お、お前何言ってんだ…!?」
動揺する海斗。しかし瀬奈は冷静だった。
「私は平気だよ?一度死んだようなもんだから何でも出来る。いつでもさせてあげる。私にとって恩返しできるのはそれしかないから…。」
「べ、別にそれじゃなくても他に料理とか洗濯とか…」
「それは、海斗は今まで自分でできてた事でしょ?私がいなくても料理とか洗濯には困らないじゃない。でも女には不自由してるんでしょ?だから私は海斗の困っている事をお手伝いしたいのよ。」
「いや、だからって…」
困り果てる海斗。瀬奈は割と穏やかな顔で言った。
「昼間に私が海斗の家に住ませてって言った時は投げやりだった。とにかく生活できる場所さえ与えてくれれば、それが高校生でもお爺ちゃんでも好きに抱かせてあげようって思ってた。でも今は違う。やっぱりどこの誰だか知らない相手に抱かれるのは嫌。海斗と接して、会話して、海斗がどんな人なのかを知ってね、私は今、海斗になら抱かれてもいいって思えるようになったの。だから誰でもいい訳じゃない。海斗になら尽くせる…そう思ったの。確かにまだ出会って間もないけど、でも人間性なんてすぐ伝わるもの。私は短い間だけどもう海斗を信用してる。だから抱かれてもいいって思うの。だから一緒に寝よ?」
「お前…、いいのか??」
「うん。」
瀬奈はニコッと笑う。
「じ、じゃあヤルヤラないは別にして一緒に寝るか…。実は布団…暫く使ってないからカビ臭いんだよね…」
「そうなの?フフフ、無理しちゃって!」
「い、いや俺はマジでカビ臭い布団で寝ようと思ってたんだからな!?本当だぞ!?」
「ハイハイ!じゃあ寝ましょ?」
「ああ。」
海斗は心臓をバクバクさせながら階段を上がり瀬奈を寝室に迎え入れたのであった。