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アラフォー由美子の初体験
【その他 官能小説】

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アラフォー由美子の初体験-5

6. 
 正面左手にオペラハウスの有名な貝殻状の屋根が、何重にも重なって青いライトアップに照らされ、星空に浮かび上がる。オペラハウスから突き出す様に、今通って来たハーバーブリッジが対岸に伸びて、北シドニーのオフィス街のビルの窓明かりに吸い込まれる。

「寒くありませんか」
 耳元の博の声に、由美子はいつのまにか博の胸に身体を預けて、その腕に抱かれている自分に気が付いた。頬を胸元に寄せると、シャツの間から漏れる男の匂いが鼻孔をくすぐる。
 由美子は、身体が震えた。膝がカクカクとして止まらない。

「寒いわ」
 由美子は、腕を博のスーツの下から背中に廻して、身体を寄せた。
 頬に、熱気が触れる。目を閉じると、唇を濡れた生暖かいものが包んだ。
 性感の昂りを感じる程ではなかったが、厭な感じでもなかった。
 どうしたらいいのか分らないまま、身を固くして待った。

 歯の隙間を割って、博の舌が絡んできた。由美子は控えめに応じて、これを迎え入れた。
 どのくらいそうしていたのか、1分にも10分にも思えた。

 唇が外れると、腰に廻された腕に誘導されるまま、車の止めてある方向に足を進めた。足元が絡んで、上手く歩けない。
 博は客席のドアを開けると、由美子に先に入るように促した。

 車内は暖かく、気分がほぐれた。膝の震えも収まった。
 博に引き寄せられるまま、腕の中に身を預けた。
 再び唇が合わさり、舌が絡んできた。

 ブラウスの上から、博の指先が乳房をまさぐる。
 ボタンが一つ二つと外され、乳首に指先が届く。
「うっ」
ツンッ

 由美子は、股間に疼きを覚え、思わず博の舌を吸い込んだ。博の舌がゆっくりと回って、舌の裏に届く。由美子も、後を追うように舌を絡めた。

 小腹の上に圧力を感じた。スカートの上から、博の指先がじわじわと股の付け根に下りていく。

「秋山さん」
 由美子は息が苦しくなって、唇をはずした。
「由美子さん」
 博の指先が、恥骨の上から股間に割り込んでくる。由美子は、股を閉じて抵抗した。

「由美子さん、君が好きだ。欲しい」
「秋山さん、わたし・・」
 由美子は、続く言葉を飲み込んだ。処女だなんて、恥ずかしくて言えない。
 でも挿入したら、間違いなく出血する。(どうしよう・・)

 恥骨の上を滑る博の指先が、お小根の付け根を刺激する。
「秋山さん、堪忍して・・」
「どうして、君は僕が嫌いなの」
「好きよ、私も秋山さん好きよ。でも今日は駄目なの、堪忍して」
 由美子は、拒否をしながらも、博の愛撫が嬉しかった。

 股を閉じながら、博の愛撫がいつまでも続いて欲しいと思った。
 お小根が、パンティーの食い込みに逆らって勃起する。バルトリン腺から、愛液が滲み出る。
 
 無言のまま、博の指先の愛撫が続く。
(もう、知らないっ)
 由美子の欲情が理性を凌駕して、股の緊張を緩めた。と・・同時に、博の指が離れた。

 博は、満更でもなさそうだった由美子が、最後になって激しく拒否するので、生理日に当たっているものと思った。無理に事を運んで、さわりがあってもいけないし、恥ずかしい思いをさせてもいけないと手を引っ込めた。

 由美子は、博が素直に諦めたので、ホットする一方で、恨めしくも思った。もっと強引に攻めて呉れれば・・。
 
 由美子は、安心感と、中途半端で終った欲求不満で、がっくりと気が抜けた。
「由美子さん、ごめん、おどろいた?」
「ううん、私の方こそごめんなさい。一寸訳があって、今日は許してください。訳は後でお話しします。私も秋山さんは好きなのよ、そのことは信じてください」

 由美子は、身繕いを直すと、ドアを開けて外に出た。夜の冷気を吸い込むと、乱れた心がやや落ち着く。
(これでよかったのかしら・・)
 博も、ドアの外に立ったまま深呼吸をしている。

 由美子が助手席に収まると、遅れて博もドライバー・シートに乗り込んできた。
 気まずい空気が流れた。
(いっそ、あのまま犯して呉れればよかったのに)

 由美子は、博の横顔を見詰めた。
 博はベルトを締めると、黙って車を発進させた。



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