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バルディス魔淫伝
【ファンタジー 官能小説】

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拾われて飼われました 前編-14

門にして鍵と呼ばれるヨグ=ソトースという神の力によって世界を渡り、セリアー二ャやガーヴィはこの島を目指す海賊船の甲板に現れたことを話した。
コル=スーやあなたが自ら望んで自分のいた世界から来たわけじゃないということは、いにしえの神の力で呼ばれたことになる。おそらくディルバスが召喚して利用したいにしえの神に贄にされかかっているんだと思う」
「荒唐無稽な話ですね」
メリル・ストリは冷めた目と呆れた表情で、セリアー二ャの話を気味悪そうに聞いて言った。
「おいらもそのヨグなんちゃらっていう神様の力で元の帰れないのかな?」
万物の王にして混沌の中心、世界はアザトースといういにしえの神の夢にすぎないと言われていることをセリアー二ャは話した。
いにしえの神ヨグ=ソトースが、なぜセリアー二ャとガーヴィを海賊船に乗せたのかはわからない。
「コル=スーは死せる宮殿の世界から、俺たちと一緒についてくることを選択した。それが正しいか誤りかはわからない。ヨグ=ソトースはコル=スーに島の世界への移動を認めた。きっとコル=スーには何かの役割があった。それは指輪を姉妹に渡させるためだったのかもしれないと俺は思う」
ガーヴィはコル=スーに言った。
「コル=スーの世界で、コル=スーが必要なら、嫌でも戻されるだろう。生き残ることが最優先だな」
「私はなぜ島にさらわれたのかしら?」
メリル・ストリはガーヴィに話しかけた。
「コル=スーがこの島に来ていなければ、島の民に洞窟に運ばれてあなたは異界の扉のむこうに入れられ生け贄にされていたはずだ。それもそうだが、一緒に砂嵐に巻き込まれた者たちは、どうなったと思う?」
「そんな……」
メリル・ストリの表情がこわばった。
砂嵐に巻き込まれたら地上から吹き上げられ、落下の衝撃で死んでいる。また砂塵や竜巻の突風に呼吸が妨げられて限界を越えてしまえば死んでいる。
「信じるか信じないかは関係ない。メリル・ストリ、あなたは生かされたのだ」
ガーヴィがメリル・ストリに言った。
「また指輪を受け取ったラーダとスーラも、蛙人コル=スーと結婚することで暴動を起こした民の手から逃れた。だが、島の障気は消え去ってはいない」
「ガーヴィ、コル=スーが遭遇した妖魅がティンダロスの猟犬だとすると、狙っているのは、ディルバス、それとも私たちなのかしら?」
「わからないが、姉上が法術に失敗していなければ、ディルバスを追い回しているのだろう」
「この島にディルバスがいるってこと?」
「酋長ゾルムに憑依したあと、一緒に死んだならこの島の呪いは消え去っているだろう。しかし、洞窟の奥には死せる宮殿の世界があった。ディルバスは生きている。民を煽動したあと、どこに逃げたのか。洞窟の奥ではないはずだが……」
ガーヴィがセリアー二ャと話しているのを聞きながら若き考古学者メリル・ストリは、洞窟の奥に何があるのか調査に行くことで頭がいっぱいであった。
「洞窟の奥でみなさんは何を見たのですか?」
洞窟の壁画、石化した貴族たちと徘徊する妖魅のいる宮殿についてコル=スーが話した。
「宮殿の世界へ行けば、あなたは戻れない。ディルバスの身代りで、ティンダロスの猟犬の餌食にされるだけよ」
セリアー二ャは警告した。
「この島に隠れているディルバスさえ見つけて、猟犬にくれてやってから、好きなだけ調べればいい。それに洞窟内は障気が強くて、壁画を見る前に意識を失うか、呪いの発作に襲われるだろう」
ガーヴィもそう言って苦笑した。
「案内なんて、おいらは行きたくないぞ!」
蛙人コル=スーはキッパリと言い切った。
「洞窟に行って無事に戻られたのは、ガーヴィ様とセリアー二ャ様だけしかいません」
「呪われたら、もう普通じゃいられなくなる。絶対に後悔することになるよ」
ラーダとスーラの姉妹も眉をしかめて怒ったような表情でメリル・ストリに言った。
神聖な王の眠る地に踏み入ってはならぬ、と何度も現地の人々に警告されることは考古学者メリル・ストリにとっては日常茶飯事である。
「私は世界について知りたいのです」
「行くなら、ガーヴィに頼むしかないわ。あと、奥の巨大な石扉に触れないことね」
セリアー二ャはあきれて部屋を出て行ってしまった。ラーダとスーラは顔を見合わせて、頬を染めていた。ガーヴィの奇妙な手で恍惚の一夜のあと、発作は起こしていない。ガーヴィに頼んであれをされなければ、洞窟で発作を起こすとセリアー二ャが言っているとわかったのである。
「ガーヴィさん、お願いします!」
メリル・ストリが立ち上がり頭を下げた。
「おいらは行きたくないぞ!」
蛙人コル=スーはそう言って部屋から出て行った。姉妹もコル=スーについて部屋を出て行ってしまった。
翌日、メリル・ストリは、夕方まで部屋から出られなかった。
ガーヴィはさやかがじっと見つめたので、すっと目をそらしてセリアー二ャに、余計なことをさやかに話すなというような顔をした。
「メリル・ストリは洞窟の調査を断念したわ。きっと自分の常識を越えたものに初めて遭遇したのね」
メリル・ストリは部屋でガーヴィに全裸になるように言われて、潔く服を脱いだ。
神聖なる地に踏み込むために全裸で焚き火の煙を浴びて、神官と呼ばれたり呪術師と呼ばれる者に儀式のようなものを受けたこともある。
違う文化の現地民の風習を受け入れなければ、古代遺跡の調査ができないことは、よくあることだからだ。
ガーヴィは笑顔ひとつなく、メリル・ストリを左手の
五本の触手で、徹夜で絶頂させまくった。
「さやか、そうしなければ障気の影響で死ぬかもしれなかったからガーヴィはそうしただけで、浮気じゃないから。ね、そんなこわい顔をしないで」
「わかってます」
セリアー二ャが苦笑した。
どんな女でも、ガーヴィの触手にたっぷりとなぶられてしまえば、性の悦楽の底無しのような深淵、自分の淫らな欲深さを思いしる。


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