(8)-1
次におヘソの周りです。おヘソを挟んで左右対称に、ふたつの弓が描かれました。
「このみじめな姿を志摩クンが見たら、なんと言うかしら。――写真、撮ろうかな」
瑛美さんが意地悪く言ったのは、いよいよおっぱいの辺りに取りかかるときです。ぐったりとのどをのけぞらせていた瑠美ちゃんは、目を見開いて、顔を上げました。もう瑠美ちゃんが自由に動かせるのは首だけでしたが、それでも、
「いやっ。そんなこと、やめてっ」
と、すがるようにお姉さんに訴えました。
瑛美お姉さんは、ふふんと笑って、
「さて、どうしようかな」
と、余裕の笑みを浮かべました。
「お姉ちゃんっ、やめて……そんなこと、お願い……」
瑠美さんの哀願に、瑛美さんは冷たい笑みを浮かべ、
「あたしはどっちでもいいんだけど、瑠美が言うこと聞いてくれないし」
「そんなっ。こんなに聞いてるのに……!」
「じゃあ、話戻すけど、おっぱい奴隷になる?」
「それは……」
「あたしは本当に、どっちでもいいのよ」
瑠美ちゃんは、がっくりと首を後ろに落としました。
「わかったわ……なる……」
うめくような声が、瑠美ちゃんの口から漏れました。
「はっきり言ってくれる?」
「なります。瑠美は、瑛美お姉ちゃんのおっぱい奴隷になります。瑠美のおっぱいは、お姉ちゃんのものですっ!」
瑠美ちゃんは、少し声を詰まらせながらも、はっきりと言い切りました。
瑛美さんは、感動したようにだまっていましたが、やがて、
「ありがと、瑠美ちゃん。そう言ってくれるのを待っていたのよ」
と、ピンと張った瑠美ちゃんのおっぱいの左の乳首に、ちゅっと音をたててキスしました。
「やんっ」
「愛してるわ、瑠美」
瑛美さんは言いました。
「お姉ちゃんが、綺麗にしてあげる」
それから瑛美お姉さんは、いよいよおっぱいに取りかかりました。瑠美ちゃんの美乳の下辺を、まるでおっぱいをさらけ出した恥かしいブラのように太い筋を引き、そして、おっぱい全体を強調するかのように、ピンク色の乳首がまるで飾りの果物であるかのように、胸の谷間からのど元へとその筋をのばしました。
次は、イチゴです。厚手のパンティのような下腹部の三角形に、まるでSMのボンデージパンツの鋲のように、イチゴを縦に三つ並べ、おヘソの左右の弓状の筋にも、幾つか並べました。
さて、おっぱいです。
(おっぱいの)下にふたつ、上にひとつ、まるでブラジャーを思わせるかのように、おっぱいを取り囲むように三箇所に置きました。
「もっとしてあげる」
瑛美さんはそれから、クリームを、今度は小さくくるっとまとめるように、瑠美ちゃんの裸体にいくつか置きました。
おっぱいの具合は、こうです。みっつのイチゴからそれぞれ、小さなクリームの山をちょんちょんと三、四個置き、頂点の乳首につなげています。ホイップクリームとイチゴが、恥かしいブラジャーとなり、瑠美ちゃんのおっぱいを飾っているわけです。
「できたっ」
それからいくつか仕上げをして、瑛美さんは叫びました。
「うん! 我ながら芸術だわ!」
瑠美ちゃんは、恥かしさでいっぱいになりながらも、とにもかくにも終わったことに、少しほっとしました。
「なんか、食べるの、もったいなくなっちゃったな」
瑛美お姉さんの目には、また、意地の悪い光がともっていました。
「明日までこのままにして、ママに見せようかな。瑠美のこのかっこう、ママが見たら、なんと言うかしら」
瑠美ちゃんは、目の前が真っ暗になったようで、
「ああ……」
と、うめくだけでした。
それから瑛美さんは、紅茶と一緒に、いよいよ「食べ」にかかりました。「いただきまーす」
ムードのためにかけたゆったりした音楽のなか、瑛美さんはおもむろにケーキ用の小さなフォークを取り、さっそくおっぱいに滑らせました。
「ん……!」
フォークの先の、その感触は、また新たな快感を瑠美ちゃんに与えました。クリームを少しフォークの先に取り、瑛美さんはなめました。
「美味しいわ、瑠美ちゃん」
それから瑠美ちゃんの体のあちこちに、瑛美さんのフォークが、軽く突き立てられました。瑠美ちゃんは、
「あん」
「ふうっン……」
と鳴きながら、それでも瑛美さんの、腕を動かすたび黒いセーターの中で上下する巨乳を間近に見ていました。 そして、言いました。
「あたしもしてみたいな、女体盛り。お姉ちゃんの体で……」
瑛美さんは、フォークを止めるまでもなく、口をもぐもぐさせながらなんでもないことのように答えました。「いいわよ」
「お姉ちゃんの巨乳も、モミモミしたいな」
「させてあげてもいいわよ」
瑛美さんはフォークを置き、紅茶をひとくち飲みました。
「でも、またいつかね」