投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

僕をソノ気にさせる
【教師 官能小説】

僕をソノ気にさせるの最初へ 僕をソノ気にさせる 15 僕をソノ気にさせる 17 僕をソノ気にさせるの最後へ

僕をソノ気にさせる-16

「……それ、いつそうなったんだ?」
「起きたらなってた。智樹兄ちゃんは違うの?」
「ああ。俺の場合は、パンツの上からチンコいじってたら気持ちよくなってきてな、やめられなくなってイジリつづけていたら、ピュピュッ、っと……。あ、いや、夢精での方がわりとノーマルだぜ、きっと。……どんな夢見たんだ?」
 優也の頬が紅潮する。絶対に言えない。
「……忘れちゃった」
「ま、夢なんてそんなもんだわな。でもよ、きっとエロいこと考えてたんだろう。つっても、気にする必要ないんだぜ? 男がエロいこと考えんのは当たり前だしな」
「これからも、こうなるの?」
(そうか、優は学校に行ってないから性教育も受けてないんだな。……つってもどっから教えたらいいかなんてわかんねぇなぁ……)
 性教育の専門家ではない智樹は優也の質問に明瞭には答えることができず、
「なるさ。これから嫌でもエロいこと考えることになるからな」
「エロいこと? 女の人のこと?」
「んん、まあそうなんだけどさ。何つったらいいか……」
 飲んでいることもあり、また巨人が勝ちそうだということで浮ついた気分もあったかもしれない、百聞は一見に如かずと都合のいい諺を思い出しながら、
「ちょっと待ってろ」
 と改めてリビングに携帯を取りにいった。スマホを操作しつつ戻って来て、もう一度ベッドに座る。
「ちょっとこっち来いよ。……ちなみにこれは絶対内緒だぜ? 誰にも言うな」
 ベッドの隣を叩いて優也を呼び寄せると、覗き込みやすいように傾けて画面を見せた。智樹のIDでログインしたオンデマンドサイトのトップページには、裸の女性の画像がたくさん並んでいた。
「アダルトビデオだね」
「……お前、もうちっと興奮するか、びっくりするかしろよ」
「びっくりしてるよ。たくさんあって」
 本を読む時と同じような顔つきで画面を眺める優也に、智樹は何だか自分が下衆な人間のように思えたが、
「優は、どういう子がタイプなんだ?」
 気を取り直して問うた。優也が画面をじっと見る。タイミングを見計らって智樹は画面をスクロールさせて次のサムネイルを見せていった。
「……どうだ?」
「よくわからないよ」優也は智樹を向いて言ったが、照れ隠しで敢えて言わないようにしていると思われかねないと気づいて付け加える。「本当に」
「んー、おまえ、理想が高いんじゃねぇ?」
「この『最近チェックした動画』に出てるのが智樹兄ちゃんのタイプなんだね」
「おいおいっ!」
 と、慌てて優也の目線から画面を外し、自分だけに見える角度にする。
(本の読み過ぎで現実の女に興味が持てないようになってんのかもしれねえな)
 適当なサムネイルをクリックして、ストリーミング視聴を始めた。このあたりかな、とスライダーを移動させると、AV女優の喘ぎ声が聞こえてきて、画面では男優が正面から腰を繋げていた。もう一度その画面を向けてやると優也はその動画にしばらく見入っていた。
「興奮してくるだろ?」
「……別に」
「嘘つけよぉ。チンコが大きくなって、硬くなって……」
 言いながら智樹は優也の股間を窺ったが、確かに全く凪いでいた。
「マジで?」
「うん」
 智樹は視聴アプリを消すと、うーん、と腕組みした。AVの存在意義を否定するかのような優也の反応に困り、
「じゃ、アイドルでも何でも誰でもいいや。エロい気分になりそうな子を想像してみろよ」
 飲んでいても人間関係が極めて希薄な優也を慮る心遣いはまだあって、智樹は普通引き合いに出すような「同じクラスの子」や「近所で見かけた子」などの例は出さなかった。
 敢えて考えるまでもなく、優也は智樹の言葉にすぐさま杏奈のことを思い描いていた。抱きしめてくれた時の匂いや感触をすぐに思い出せる。
「あ……」
 股間に圧迫感を感じた優也は座ったまま身を左右に小さく捩らせた。
「それだよ、それそれ。……何思い出したかはあえて聞かねえよ。でもま、そういうこった」
「これって、その人をイヤラしいって思ってる、ってことになるの?」
「イヤラしい、ってお前……、でもまあ、そうだよな。エロいって感じてるってことだ。でもな、エロいって感じるのと、好きって感じてんのとほぼイコールだぜ?」
 エロい、ってほうが、好き、を上回る方が多いけどな。智樹はそう思ったが、精通を迎えたばかりの少年にそんなことは言ってはいけないと呑み込み、「好きって思う相手と、さっきの動画みたいなことをしたくなるのは当然だ。で、お前は今日、それができる体になったってことさ」
 優也は漏らしてしまった粘液が、子孫を残すために必要なものであるということはわかっていた。それを執り行う行為が、見せられた動画の中で男女が繰り広げていた痴態であるということも。


僕をソノ気にさせるの最初へ 僕をソノ気にさせる 15 僕をソノ気にさせる 17 僕をソノ気にさせるの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前