タナトスの黒霧-1
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斗真は悲しいことがあると、真理に甘えてくる。
真理はそんな夜は一睡もできない。
斗真が寝つくまでに真理は甘美な快感に溺れる。
真理が再婚しないのは斗真との秘密の関係を誰にも知られたくないからでもある。
そして女として満たされていた。
斗真が三回射精して真理の胎内を満たすまでに、真理は蕩けきってしまう。
「母さん、もう出ちゃうよ、あぁっ」
「斗真、出して、お母さんの中に出してっ、あぅっ、ああぁぁっ!!」
何があったのか真理は聞いて一緒に泣いた。そして、斗真が求めてくるままに、ベットの上で母親からただの女になる。
そして、斗真と交わって生きると約束したのに、意識を失っている女教師のことで傷ついた我が子の悲しみを思い浮かべた。
斗真と幼なじみの愛は母親二人に頼みこみ、一緒に入院している女教師の見舞いに行った。
日曜日の昼間、個室でベットで横たわり点滴を受けながら、病院の天井を見つめている若い女性がいた。
先生、と言ったあと愛は斗真の手をぎゅっと握ったまま、肩を震わせて泣いていた。
斗真も唇を噛みしめて、黙って女教師をじっと見つめていた。
学校を辞めてから二ヶ月で女教師はひどく痩せて、目を開いているが生徒たちが来ていることには気がついていないようだった。
「……姉さんのかわいい生徒たちがお見舞いに来てくれたよ」
四人を病院の個室に通してくれたのは、女教師の弟だという若い男性だった。
心拍数を表示する機械の音。
呼吸器の音。
「さあ、帰りましょう」
愛の母親の翠が涙目で、娘の髪を撫でた。
「母さん、僕ちょっとだけ先生と話をしたいんだ」
「……わかったわ。みんな車に戻ってるから、すぐ来てね」
「うん」
四人は病室を出てエレベータを待っていると斗真が真理に囁いた。
「とーま君どうしたの?」
愛がまだ目を真っ赤にしたまま、真理に聞いてきた。
「ちょっと、お腹が痛いって。恥ずかしがることないのにね」
真理は先に車に戻って待っていた。
(斗真には、私たちにはわからないものを感じる力がある。きっと何かに気づいたんだ)
斗真は個室の病室で窓辺に立っている女教師の弟の姿を見つけると言った。
「僕は知ってるんだ。先生がお兄さんをすごく好きすぎて、こんなことになったんだよね?」
「君は何を言って……」
斗真の目は若い男の目をじっと見つめていた。
「お兄さん、気をつけたほうがいいよ。お兄さんにも黒霧がまとわりついてるから」
斗真はそれだけ言うとベットのそばに近づいて、痩せた女教師の手を握って目を閉じた。
まるで黙祷のようじゃないか、と若い男は思った。
斗真はもう振り返らずに病室から出てきた。
「ちゃんとお別れを言ってきたよ」
その夜、斗真は真理の乳房を揉みながら言った。
小学四年生の斗真は真理の乳首にチュッチュッと吸いついている。
真理が背中をのけ反らせて喘ぎ声を上げた。
乳首から波のように熱くじんわりとした感覚が波紋が広がるように真理の全身を甘く蕩けさせる。
子宮がきゅっと疼いた。
「と、斗真、あぁッ、そんなに吸われたらお母さん、えっちな声が止まらなくなっちゃうよぉ」
斗真はそう言われても愛撫をやめず、小さい前歯で真理の乳首を甘噛みしてきた。
真理の乳首は最愛の一人息子の唇で吸われて痛いほど勃っていた。
「先生はオッパイをこうやって噛んでって僕に言って抱きしめてくれたんだ」
真理も斗真の華奢な体を抱きしめる。まだ子供で筋肉も少ない柔らかい肌の体だった。
「斗真もオッパイ舐めてあげるね」
真理は斗真を仰向けに寝かせて、ペロペロと小さなピンクの乳首を舐めた。
「んあっ、くすぐったいよ、んっ、はぁ、はぁ」
「先生はオッパイを舐めてくれた?」
斗真が首を横に振って、身悶えると上半身を起こして真理の愛撫の快感から逃げた。
「まだ子供のくせに他の大人の人とするなんて、女たらしになりそうで心配よ」
真理はそう言って斗真の頬を撫でると、唇を重ねた。
斗真の舌が真理の口の中に入ってくる。
「んっ、ふっ、んん……」
真理と斗真が舌を絡ませ合う。
唇を斗真が離すと、二人の舌先から蜘蛛の糸のような唾液の細い糸が光った。
斗真が真理に仰向けに寝て脚を開いてと囁く。
真理は軽く膝を曲げてM字のように股を開き、斗真に恥丘をさらして頬を染めたまま微笑していた。
くぱっと逆さでVサインをするように指先で大陰唇を開いて見せた。
斗真は寝そべり真理の内腿の間に顔を埋めて、しゃぶりついてきた。
このまま斗真を頭からのみこんで、子宮の中にしまっておいて膨らんだお腹を撫でている自分の姿を想像しながら、真理は斗真の顔にかかるほど激しく愛液をしぶかせて絶頂してしまった。
斗真が口元を愛液だらけにして顔を上げたので、真理はあわてて「わっ、斗真、ごめん」とベットの枕元に置いたティッシュで顔を拭いた。
斗真がようやくクスクスと鈴を転がしたような笑い声をもらした。
真理は斗真に頬ずりをした。
そして小さな皮をかむっているが、真理のクリトリスを舐めまわして感じまくっていた痴戴に興奮したのか勃起している性器を優しく撫でた。
「今度は斗真が気持ちよくなって。逃げないでちゃんと寝てなきゃ嫌よ」
真理は斗真の太股を撫でて脚を開くようにうながす。真理の鼻先に勃起した皮かむりの性器がある。
真理は小さな玉袋から丁寧に舌を這わせ始めた。飴を転がすように小さな玉を舐めしゃぶる。
「はぁ、はぁ、んあっ、あんっ!」
斗真の喘ぎ声はまだ男というより女の子のような感じの声である。
次に先端からチロチロと真理は斗真が感じている表情を見ながら愛撫する。
女教師に斗真がこんな表情を見せたのかと思うと、少し意地悪をしたくなった。
「少し痛いかもしれないけど、包茎おちんちんになったら困るから剥いちゃうよ」
剥かれた性器は指先でわずかにふれただけで、ピクッと反応した。