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good communication
【若奥さん 官能小説】

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女であることを忘れていた女-7

思えば、セックスレスはかなり前からだった。


その切っ掛けが、瑠璃の妊娠である。


妊娠が判明して、すぐにやって来たのが悪阻だった。


私は悪阻がひどい体質だったらしく、何も食べられないだけじゃなく、水を飲んでも吐いてしまう、入院一歩手前のレベルだった。


テレビで料理の映像を観ても吐くくらいの私にとって、心の拠り所は輝くんだけだった。


ただ、輝くんが仕事から帰ってくるのを首を長くして待つ日々。


そして彼もまた、そんな私の願いに応えてくれて、仕事が終わるとダッシュで帰ってきてくれた。


掃除も洗濯もご飯の支度もままならない、しかもろくにお風呂も入れないで寝てばかりいた私に文句一つ言わずに、家事までもしてくれていた輝くん。


そのころにはセックスのことなんて当然頭になかった。


いや、輝くんはきっとこんなに苦しんでいる私にセックスのことなんて言えなかったのだろう。


そしてそのまま、私の頭の中にはセックスという存在がポロッと欠如してしまったのだ。


悪阻で苦しみ、それが落ち着いたと思ったら、マイホームに引っ越す準備に追われ、瑠璃が生まれたら育児にいっぱいいっぱいで。


そして、セックスレスに至る、というわけだ。


妊娠中だって、無理のない程度のセックスはできるし、それが不安なら私が口で輝くんを満足させてあげることはできたはず。


でも、輝くんはいつでも私の体調を気遣ってくれて、そんなことを求めてこなかった。


それに甘えて、私は夫婦のコミュニケーションツールをどこか遠くに置き忘れてしまったのかもしれない。


スイッとマウスを動かし、購入履歴の一番古いものを見ると、案の定、私が妊娠判明したあたりの日付になっていた。




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